金委員長「列車訪中」に込められた歴史的意味 外交的な優位性を持っていることの象徴だ
北朝鮮が効率性や外交上の慣例とは異なる列車を移動手段としていることは、列車というものが中国との関係における北朝鮮の優越性を示すものでもあるためだ。
韓国・国立外交院のシン・ボムチョル教授は「列車は中国の国共内戦当時、北朝鮮が中国を支援したというシンボル。本来であれば中国の鉄道路線に乗り入れるためには複雑な手続きが必要だが、北朝鮮に対してのみ列車での訪中を許容するという特別な待遇をしている」と指摘する。
故・金日成主席時代には、列車に乗車した後に中国政府へ訪中する旨を通報したこともあり、中朝関係において北朝鮮が特別な存在であることをアピールしてきた。
抗日パルチザン活動を行っていた地域を訪問か
もちろん、安全性からの理由もある。韓国・東国大学北朝鮮学科のコ・ユファン教授は「これまで北朝鮮の指導者が飛行機を避けてきたこともあり、また地理的に列車を利用してもおかしくはないという理由もある。南北、米朝首脳会談を前に、伝統的な友邦である中国を無視できないという意味だ」と説明する。
韓国政府関係者は「北朝鮮で特異な兆候があり、先週末から注視していた。3月24日から中国・丹東駅周辺の警備が強化されるなどの動きを把握し追跡していた」と言う。政府当局は中朝国境地域の人的情報網から、北朝鮮の最高レベルの人士が訪中するという信頼できる情報を入手し、丹東と北朝鮮内の動きを観察してきたという。
前出の関係者はさらに「北京を出発した後、次の訪問先がどこになるか注視している」と述べた。中国の東北3省(遼寧、吉林、黒竜江省)の、特に金日成主席がかつて抗日パルチザン活動を行っていたという縁の深い地域を訪問する可能性もある。
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