「アベマTV」がゴルフ中継に乗り出した狙い ネットで生中継の画期的な試みに火が着くか

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JGTOでは、AbemaTVツアー充実のために、主催者に交渉して12試合の賞金総額をすべて1500万円以上とし、ばらばらだった開催期間も1試合3日間にそろえた。青木功JGTO会長も1月末のスポンサー契約発表の時に「新しい試みを一緒にやっていきたい」と全面協力の姿勢を見せている。

AbemaTVにとって、魅力的なコンテンツになるのだろうか。

1月時点で同社の社長であり、親会社のサイバーエージェントの藤田晋社長は「1日中放送できるので、長尺のコンテンツになる。将棋のコンテンツも藤井聡太がでてきて価値が上がった。若い選手の中から誰かが出てきて価値が上がれば。1年間で結果が出るとは思わないので、長く続けて価値を育てていきたい」と話していた。

ゴルフをインターネットで「見られる」コンテンツに

地上波のテレビ中継は、録画放送のほかにも、スター選手不在や外国人選手の優勝が多いこともあるのか、テレビ視聴率は年々下がって来ている。昨年は男子レギュラーツアーが最終日(関東)平均3.6%、女子ツアーが同4.7%だった。

プロ野球の巨人戦でも視聴率が悪くなっていまや地上波ではなくBSやCS放送に移っている。ゴルフの場合、そんな視聴率でもまだ製作費などをペイできる広告収入があるということなのだろうが、AbemaTVが成功すれば、ゴルフはインターネット中継で見る時代も来るかもしれない。

AbemaTVの収入も広告になる。どのぐらいの視聴を目標にするのだろう。

古川部長は「黒字化はまだ見えないが、見られていないコンテンツであるゴルフを見られるようにしていきたい。K-1では300万視聴があった。数年かけてその規模ぐらいには」という。

放送の仕方の工夫や、選手のパフォーマンス次第では、魅力的なコンテンツになる可能性にかけているようだ。

その開幕戦が30日から始まる「Novil Cup」。大きな話題を作った女子ツアーの2009年賞金女王、横峯さくらが自身としては初めて男子のトーナメントに参戦する。

距離的に女子にとっては厳しいが「ゴルフ界の活性化に貢献できれば。出るからには優勝目指して頑張ります」とコメントしている。男子に交じって戦う横峯の姿は、インターネットでしか見られない。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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