耳かきがなんとも気持ちよく感じられる理由 音を知覚する器官にまつわる蘊蓄100章

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61. クジラの年齢は、耳の孔にたまる耳垢の年輪を数えることで調べることができる

62. 20Hz以下の超低周波は、勝手に家具が動いたりするポルターガイスト現象の正体という説もある

聴覚は最も初期から働く感覚(写真:art-4-art/iStock)

63. 聴覚は最も初期から働く感覚であり、胎児の耳の原型は妊娠6週頃にでき始め、妊娠20週では内耳で音を感じるようになる

64. 人間の耳は軟骨に支持組織と脂肪組織、その表面に皮膚がついて耳を形成している

65. 人間の耳を動かす筋肉は退化し、意図的に動かすことは難しい

66. 鼓膜は皮膚同様に自己再生力をもち、破れたとしても2~3週間で元に戻る

67. 耳の形はよく遺伝する。かつてDNAや血液型による鑑定が一般的になる以前は耳が親子鑑定に用いられていた

68. 耳からの情報は手足と同様にクロスして脳の聴覚野に伝わる。言語野は左脳にしかないため右耳から入る言語は至近距離で伝わるが、左の耳から入る言語は右脳の聴覚野から左脳の言語野まで遠回りする。その差100分の1秒

69. 成人の耳にとっては、4000Hz前後の周波数が最も感度が高くなる

不思議な耳のあれこれ

70. 静かな場所にいると「キーン」や「ジーン」という音が聞こえる現象耳鳴りの原因ははっきりとは分っていない

71. 声を発するとき、自身では気導音と骨導音の両方を聞いている。録音した自分の声に違和感をもつのは、それが気導音のみであるため

72. 大和三山のうちのひとつ「耳成山」は「みみなしやま」と読む。「耳の形を成す」ことから命名され、『耳なし芳一』とは無関係

73. 小泉八雲の『怪談』の一編『耳なし芳一』の舞台は山口県に実在する阿弥陀寺(赤間神宮)。現在は「芳一堂」が造られ、芳一の木像がある

74. 「耳取」という地名は、東北地方から新潟県までを中心として各地にみられる。多くは台地や山麓を「耳」ととらえ、その端を切り開いて耕地にしたことに由来する

75. 耳のつく地名は、ほかに青森県の耳ヶ吠(みみがほい)、福島県の熊耳(くまがみ)、京都府の耳鼻(にび)、島根県の耳耳浦(みみうら)、群馬県の耳二ツ山、福岡県の耳納山(みのうさん)、鹿児島県の耳取峠など難読地名も多い

76. 「馬耳東風」とは他人の意見を聞き流し、心にも留めようともしないことのたとえ。「馬の耳に念仏」も同様

77. 「壁に耳あり障子に目あり」と同義のことわざは「石に耳あり」「藪に耳」などバリエーションが多い

78. パンの端を「耳」というのは日本だけ。英語では「crust(外側の硬い皮の意)」、中国語では「面包皮」

79. イタリア語で耳は「orecchio」。「オレキエッテ」というパスタは「小さい耳」という意味

80. イタリアでは誕生日に主役の耳を年の数だけ引っ張るという風習がある

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