楽天イーグルス「観客増で営業黒字化」の背景

ファンがまた来たいと思う仕掛けがある

一方、2017年度はクライマックスシリーズに進出したとはいえ、パ・リーグ3位だったのでホーム開催によるチケット収入の上乗せはなし。ポスティングフィーなどの臨時収入もなく、トップラインを底上げする特殊要因はなかった。

観客動員数は球団収益の源泉だ。チケット収入が増えるのはもちろん、球場にお客が来ればそこで飲み食いをし、グッズを買う。球場内の広告を見る人が増えれば広告収入も増える。球場の営業権を持つイーグルスは、観客動員数の恩恵が、チケットだけでなく、飲食やスポンサー収入にも及ぶ。

イーグルスの2017年度の売上構成は、チケット収入が34%、スポンサー収入が27%、グッズが12%、放映権が11%で、残りがスタジアムの飲食収入、ファンクラブ会費などだ。

この構成比は、売上高が90億円を割っていた2010~2012年頃とほとんど変わっていない。当時の観客動員数は年間110万人台。つまりは「観客動員数の伸びに比例して全体が底上げされた」(球団)のだ。

成績低迷期も観客動員数は右肩上がり

昨シーズンの観客動員数は177万人、1試合平均2万4931人と、過去最高を更新した。球場の収容人数は芝生エリアも含めると約3万人だが、座席数は2万6500席なので、稼働率は実質94%となる。

10月9日の日本ハムファイターズ戦では「満員御礼」の告知も出た(筆者撮影)

開幕から快進撃が続き、8月2日まで首位を維持した効果もあっただろうが、成績が低迷していた2014年~2016年も着実に伸びており、球団創設以来、観客動員数が前年を下回ったのは2010年だけだ。

チームの成績に関係なく動員数を増やすには、リピート率を引き上げることが必須条件。楽しかった、また来たいと思わせる仕掛けは随所に施されている。

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