西武が「ドーム大改修」に180億円投じる真意 球場にVIPラウンジ新設、選手寮には温浴施設

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西武の2017年度の入場者数は延べ167万3219人となり、公表開始以降最多を記録した。それでも12球団中10位(パ・リーグで4位)の水準だ。

集客に関して、西武も手をこまぬいてきたわけではない。2007年度に入場者数が12球団で最下位となり、西武HD傘下の別会社が担っていたファンクラブ運営を球団が吸収、施設面では球場の改修やグループシートの新設、子ども向け施設の増強など対策を打ってきた。

そのかいあって最下位は脱したものの、近年入場者数は伸び悩んでいる。さらなる動員増には、「ライオンズは知っているが、西武ドームで観戦したことはない」ようなライトなファン層を呼び込むことが急務といえる。

球場内外の施設をテコ入れ

ライト層の獲得に向けた今回の改修は、球場のあり方から見直す内容になっている。これまでのように球場を「野球観戦の場」とだけとらえるのではなく、周辺の商業施設などを含めた「ボールパーク」として開発を進め、コアな野球ファンだけでなく誰もが楽しめる場所に変えていく考えだ。

たとえば、客席エリアの改修では、バックネット裏に400人以上を収容可能なVIPラウンジを新設。また、選手たちと同じ目線で楽しめる「砂かぶり席」も設置する予定だ。球場外の外周エリアでは、飲食店やグッズショップ増強のほか、子どもが楽しめる屋内施設や広場を設置。球場外でも滞在可能な施設に変えていくという。

VIPラウンジは12球団随一の広さ(画像:埼玉西武ライオンズ提供)

この「ボールパーク化」は10年以上前から温められてきた構想だ。米メジャーリーグは日本よりもこの「ボールパーク」の考えが浸透しているため、球団関係者は現地視察も実施。

メジャーリーグの7球場を回り「どうしたら観客が球場で楽しいと感じるのか」「どうしたら滞在時間が長くなるのか」を探った。

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