習近平が始める壮大なる国家改造計画の中身

文革以来のトップの強権が大国を揺るがす

習近平氏は国家主席の3選をほぼ確実にし、いったい何を目指しているのか(写真:AP/アフロ)

大国はどこへ向かおうというのか――。

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3月5日から20日まで開催される中国の全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当する)で、憲法が改正され、習近平国家主席の3選さらにそれ以上も可能となった。昨秋の中国共産党大会において、習氏の政治理念が党規約の行動指針に記入されたことを受け、憲法前文にも「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」(習近平思想)が明記された。これらによって習氏が絶対的な指導者になる道が用意されたと言われる。

しかし、党規約や憲法の改正は、習氏の個人的野望の観点だけから見るべきでない。今回の全人代の最大の特徴は、習氏が野心的な大改造計画を大きく進めたことだ。この改造計画は、単なる機構改革にとどまらず、国家全体の改造を狙っているとの見方もある。

政府も党も、両方を改造する習氏

この改造計画は行政機構、つまり国務院と傘下の各部だけが対象でなく、中国共産党も対象にしている。こう言うと、党の改革はあくまで党が行うことであり、全人代の管轄外であると思われるかもしれない。それは本来正しい見方であるが、習氏の改造計画は両方を対象にしている。

そのようなことはかつてなかった。改革開放以来、中国では機構改革が6度行われたが、すべて行政機構の改革で、今回の機構改革が異例なのである(在米の華字紙『多維新聞』2018年2月27日付)。

もっとも、習氏は、党の権限を無視したのではなかった。党側では2月末に開催された中央委員会第3回全体会議(三中全会)で、党と政(行政)を含む改革案である、「中共中央の党及び国家機構改革の深化に関する決定」をあらかじめ承認していたのである。

思えば、習氏が大改造計画に着手したのは、2012年11月に共産党総書記に、翌2013年3月に国家主席に就任した直後であった。

まず第1段階は、国政の重要分野をほぼすべてカバーする、「改革小組」の設置であった。中でも「全面深化改革領導小組」が中心で、「インターネット安全・情報化領導小組」なども有名だ。「小組」とは、一種のタスクフォースであり、横断的に問題を扱う。名前は小さいが、大きな力を発揮する。1960年代の半ばから約10年間、中国を大混乱に陥れた文化大革命の司令塔的役割を果たしたのも、「文化革命小組」であった。

このような小組を設置したのは、既存の機構が党も政も官僚主義化して効率が落ち、しかも腐敗にまみれ、今後の国家運営を託すことができないからであった。

が、5年間改革を進めてきた結果、改革はより早くより全面的に進めなければならない、と考えるようになったのだろう。次に第2段階として、この全人代を機に、党・政の機構を抜本的に変革することにしたのである。

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