北朝鮮の対話姿勢、核開発の「隠れみの」か 約束をずっと破ってきた北朝鮮の歴史

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どちらにせよ、米当局者と専門家は、核実験とミサイル発射実験は信頼できる兵器開発には欠かせないため、北朝鮮に実験を停止させることには意義があるという意見で一致している。

北朝鮮は過去2年間、さまざまなタイプのミサイル実験を何度も繰り返している。その中には、昨年11月29日に実施された、過去最大級となる大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験も含まれている。ICBMは理論的に米国への到達が可能だ。これ以降、実験は行われていない。

北朝鮮の首都平壌で金正恩氏と会談した韓国代表団は、米国との対話が続く間は核・ミサイル実験を行わないと同氏が申し出たことを明らかにした。

また同氏は、自国の安全が保障されるのであれば、かつては交渉の余地なしとしていた非核化に前向きな姿勢を示したという。

米韓当局者は、北朝鮮が最終的に、米軍の韓国からの完全撤退といった不可能な要求を対話で突きつけてくることを懸念している。外交が失敗に終われば、北朝鮮は以前よりもさらに強力な脅威となる。

米国のミサイル防衛システムをかわす能力は?

北朝鮮にとって最大の試練は恐らく、大気圏に再突入する際に核弾頭が燃え尽きることを防ぐ頑強な突入体を製造する能力を示すことだと専門家は指摘する。

そうした開発の一部は地上でも可能だろうが、北朝鮮はこれまで実際に長距離の軌道でミサイルを飛ばしたことがないため、最終的には発射実験が必要となると専門家は言う。

また、ミサイルやエンジンといった部品を大量製造できる施設建設には時間を要すると、米当局者と専門家らはみている。これは、厳しい国際制裁という足かせがなくても困難なことだ。

北朝鮮が米国に対して確かな抑止力を獲得するには、戦争が起きた場合に、一度に複数のミサイルを発射して米国のミサイル防衛システムをかわす能力を有していることを示さなければならないだろう。

北朝鮮はまた、固定された発射台よりも探知されにくく、攻撃も受けにくい自走式のミサイル発射車両である輸送起立発射機(TEL)を増やすことも必要だ。

一方、交渉しても、北朝鮮が自国の兵器プログラムのために他国に支援や原材料を求めることをやめることはないだろう。

「北朝鮮が核・ミサイルを製造し、それを供給・維持するためには他国からの支援が相当必要だ」と前出のオルブライト氏は指摘。「何が起きようと、圧力を強化し続け、制裁と輸出制限を厳格化することは不可欠だ」と同氏は語った。

(Matt Spetalnick記者、David Brunnstrom記者、Phil Stewart記者 翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)

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