「激しいスポーツと認知症」の意外に深い関係 米国ではアメフト選手の告発映画も話題に

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こういった措置は子どもたちの健康や安全を最優先してのことですが、一方、サッカーは子どもたちの心身の発達に大きなメリットがあり、ヘディングを一概に禁止することには異論もあります。

今後はヘディングによる脳ダメージの科学的検証を進める必要があります。そのうえで、ケガをしにくいヘディングの技術を指導し、ヘッドギアなどの保護具の使用、過度な練習、試合数制限を設けるなどルールづくりが必要ではないかと思います。

脳振盪後遺症リスクを減らす方法は?

頭部外傷による脳振盪対策が、医学界やスポーツ団体から出されています。脳障害リスクを減らすために、該当する競技のアスリートや頭を打つスポーツをする機会が多い人、コーチや監督、子どもが運動部に所属している親は、事前に知っておくべきでしょう。

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対応策は、日本サッカー協会(JFA)などからも出されています。ホームページに掲載されています。

日本脳神経外傷学会と日本臨床スポーツ医学会が監修した「スポーツ現場における脳振盪の評価」も役立ちます。

まずは、脳振盪かどうかを正しく評価し、脳振盪と診断あるいは疑われた場合には、すぐに練習に復帰せず、段階的手順を踏んで復帰をするようにします。復帰手順についてはこちらを参考にしてください。

このように子どもの頃から脳振盪対策に留意することが必要ですが、激しいスポーツをしない人でも、40代からの予防が重要となります。なぜなら最新の研究では認知症が発症する20年も前から脳のごみがたまり始めるということがわかってきたからです。

将来認知症にならないために、正しい情報収集をすることをお勧めします。

伊東 大介 慶應義塾大学医学部神経内科・医学博士

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いとう だいすけ / Daisuke Ito

1967年生まれ。1992年、慶應義塾大学医学部卒業。同年、同大大学院医学研究科博士課程(神経内科学)入学。1996年、同大学医学部(内科学)助手(専修医)。2001年、米国シカゴ大学リサーチフェロー。2006年より、慶應義塾大学医学部(内科学)専任講師。総合内科専門医、日本神経学会専門医、日本認知症学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本医師会認定産業医。日本内科学会、日本神経学会(代議員)、日本脳循環代謝学会(評議員)、日本認知症学会(代議員)、日本脳卒中学会、日本頭痛学会、日本神経化学会、Society for Neuroscienceに所属。2012年、日本認知症学会学会賞受賞。

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