頼りにならない上司にありがちな残念思考 事実を見極めず、部下の予測を真に受ける

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③部下の予測に「乗っかっているだけ」になっている

この相談を受けて値下げをした場合、本当に求められる「上司」としての仕事をしているとはいえません。なぜなら、部下の予想や予測を聞いて「Yes」と言っているだけで、そこに上司の考えや判断は何もないからです。

反対に、「会社の方針として値下げはできない」と退けるにしても、ただそれだけを伝えるならば、その上司でなくてもできます。

これでは、部下との信頼関係はいつまでも築かれませんし、部署として正しい判断を下すこともできないでしょう。

求められる上司の行動は

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ここで求められる上司の行動は、得意先に「必要な情報を確認する」ということです。部下に指示してもいいですし、必要に応じて上司が自分で行動するなどして、部下の相談の「事実ではない部分」について相手に確認をとっていくのです。

実際、このケースでは、下記のことが明らかになりました。

・納品ミスは事実だが、判明した後の迅速な行動によって、きちんとカバーできていた

・当社の製品にはリピーターが多く、C社の製品とはターゲットが違う

・今回の値下げ要求は、セール期間中の一時的なものであり、他社にも同様に依頼している

事実ではない部分をきちんと見極め、確認するだけで、的確な対応がとれるようになります。

部下も、自分のミスや得意先の喪失という不安から解放され、すがすがしい気持ちで仕事に取り組めるようになるでしょう。上司・先輩として職場を率いていく立場であれば、このような「問題解決の思考」を身に付けることを強く意識したほうがいいのです。

寺嶋 直史 事業再生コンサルタント、中小企業診断士

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てらじま なおし / Naoshi Terajima

大手総合電機メーカーに15年在籍し、部門で社長賞等多数の業績賞獲得に貢献、個人では幹部候補にも抜擢される。2010年に事業再生コンサルティング会社の(株)レヴィング・パートナーを立ち上げ、代表取締役に就任。さまざまな業種の事業デューデリジェンスをはじめ、経営のしくみ構築、業務改善、売り上げアップなど幅広い支援を行っている。そのほか、1年で一流の経営コンサルタントを育成する「経営コンサルタント養成塾」の塾長として、事業デューデリジェンス、財務分析、経営改善、事業計画、金融機関対応、マーケティングなど、さまざまな講義を行う。ホームページ(http://www.reving-partner.com/)、メールアドレス:info@reving-partner.com

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