名古屋が元気になるカギはどこにあるのか 名古屋の放送番組を支える企業たち
こうした動きは、電気自動車へのシフトが進むと共にますます加速していくはずだ。これまでのガソリン車で重宝された製品や技術が、一切必要とされなくなる。異業種への参入を含めたあらゆる再編の動きが進む。
そこからさまざまな「ニュース」が生まれ、悲喜こもごもの「ドラマ」が生まれる。それはテレビ放送の格好の題材ともなるだろう。
ソフト面では新しい人材育成が不可欠
一方、モノづくりから目を移すと、また違った構図が見えてくる。
たとえば観光業やまちづくり。昨年は名古屋市港区にオープンしたテーマパーク「レゴランド・ジャパン」が、いい意味でも悪い意味でも話題を集めた。
観光資源の乏しかった港エリア活性化の起爆剤として期待されたが、ふたを開ければ入場料の高さや食事の質などに不満の声が噴出。パーク側は何段階もの割引キャンペーンを打ち、弁当や水筒の持ち込みも認めるなどして改善を図った。しかし、そもそも隣接する商業施設や市内の他の観光スポットとの連携がほとんどなく、互いにカバーし合ったり、全体で盛り上げたりする動きが見られなかった。
これは地域としてモノづくりに偏重し、観光やソフト産業の人材育成が軽視されてきた弊害だと言える。名古屋城やトヨタ系の記念館にしても、車以外でのアクセスや交通案内、英語対応などは決して十分ではない。私の知るデザイナーや都市プランナーからは「名古屋は目に見えないもの、形にならないものにおカネが回らない」と常々不満を聞かされていた。
そうしたなかで、ソフトウエアの分野から斬新なアイデアや企画を打ち立て、全国展開する名古屋企業も現れてきている。スマホゲームを中心としたIT企業の「エイチーム」や、オンライン請求書作成サービスの「Misoca(ミソカ)」などが代表として挙げられるだろう。