DMMとZOZOが認めた起業家、光本勇介の気概

「小さな幸せ」の大量生産を目指したい

そして3つ目は、「与信」です。今は、どんな取引にも与信があります。銀行も消費者金融もそう。個人でも「1万円貸して」と言われると、ちゃんと返してくれるかなと疑いますよね。でも、この与信、つまり人を疑うという行為は、工数であり、コストでもあります。そのコストがあるから、割に合わないということで、生まれていないサービスがある。

でも僕たちは、世の中には、潜在的に少額の資金ニーズがすごくあるだろうと感じたんです。そして、そのニーズにスピーディかつカジュアルに応えているサービスがない。なら僕たちがやろうと。たくさんの小さな幸せにつながるようなサービスが作れたら、と考えました。

「CASH」は、与信をとりません。利用者が誰かもわからない。ひたすら性善説に立って、全力で利用者全員を信じて取引しています。結果、悪い人がいても、そこで被る損害はコストだと考え、大多数の普通取引で収益を上げられればいい。そうすると、「人を疑う」という工数がカットできるのです。

人を疑わなくてもいいという概念ができれば、ウェブサービスも事業の作り方自体も変わるでしょうし、事業の幅や可能性も新しく作っていけるかもしれない。僕たちは、そのための壮大な実験をしているわけです。もちろん、本気でフルスイングしながら。

残高2万円のギリギリ通帳写真

――ユニークな着想は、どのように得られるのでしょう?

日々24時間、生活のなかでつねにアンテナを張っている気がします。僕が興味を持っているのは、あくまでマスのサービスなんです。普通の人が使いたいもの。だから、全力で普通の人を生きる。生きてみて、日々疑問に思うこと、望むことにアンテナを張り、「これを解決して事業化するにはどうすればいい?」と考えています。

大前提として、世の中にないものを作りたいので、よく「どうせやるなら、狂ったようなことをしようよ」と言っています。常識を変える。そうでないと新しいものは作れない気がします。最初にCASHのサービスを開始したとき、周囲から信じられないと言われましたが、僕は、一瞬であれだけの利用があったことに興奮した。最近読んで感銘を受けたフィル・ナイトの著書、『シュードッグ』的に言えば、「馬鹿げたアイデア」なのかもしれませんが。

光本氏も感銘を受けたというフィル・ナイトの自伝『SHOE DOG』は、20万部のベストセラーとなっている。特設サイトはこちら

事業を作るときの軸として、多くの人をハッピーにするようなことをしたい。世の中を変えるような面白いサービスを作りたい。経営そのものよりも、生み出すことに興味があるんです。それで、みんなが使っているサービスを「あれ、俺」って自慢したいんですよ(笑)。

生み出すとは言え、事業としてやっていくには、やはり稼ぐ力が必要だと思っています。僕は、自己資本でやってきて、ずっと稼ぐことに執着してきました。

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