DMMとZOZOが認めた起業家、光本勇介の気概 「小さな幸せ」の大量生産を目指したい
インターネット業界に携わっているからには、一度は自分の手でマスのサービスを作ってみたいという夢をずっと持っています。つまり誰でも知っているサービスです。
うちの会社は若い男が多くて、「マスのサービスを作ろう」の言い換えとして、よく「合コンでモテるサービスを作ろう」って話すんですよ(笑)。合コンで自己紹介した時に「LINE作ってます」「メルカリ作ってます」って言えたら、めちゃくちゃ盛り上がるでしょう? 「エーッ、私、LINEないと生きられない!」って。
ありがたいことに「STORES.jp」も「CASH」も情報感度の高い方には知っていただいていますが、地方の方々や街なかの大学生みんなが知っているかというと、そうではない。そういった方々が普通に知っているサービスを作りたいんです。
事業は「市場選択」と「タイミング」
――すごくイノベーティブな挑戦ですね。
まだこの先はわかりませんが、これまでいろいろな事業を作っては失敗してきています。そんな経験からつねに意識しているのが、「市場選択」と「タイミング」。事業はこれに尽きます。どんなにイケてるサービスを作っても、タイミングがずれるとうまくいきません。そして、はやっても、継続性を持たせるなら、それなりの規模が見込める市場を選ばなければなりません。
こういったことを念頭に置きながら、どんな事業を作ろうか、ニュートラルな立場で考えてみた結果、2017年は「おカネ」がテーマの年になると思ったんです。
「フィンテック」という言葉が世の中に現れましたが、そういった企業に注目すると、金融がバックグラウンドの方が作っていることが多い。金融サービスって一般消費者にとって絶対的に必要なものなんですけれど、一般の人の目に映る金融サービスは、遠くて、小難しい感じがする。であれば「使われる方々の気持ち」に立った金融サービスを作ったらどうかと。
僕たちは「バンク」という名前の会社ですが、実は全員が金融のド素人なんですよ。金融、銀行、二次流通、1人もその専門家がいません。そして、むしろそこが強みだと思っています。
「STORES.jp」もそうでした。一般の方がオンラインストアを作ろうとすると、知識やデザインの技術などが必要で、専門家に発注せざるをえなかった。だから、誰でも簡単に作れるサービスを作ったんです。ECのド素人が作ったECのサービスが、ECのド素人の方々に刺さって、共感を得たわけです。
「CASH」も同じです。金融のド素人だからわかる、金融ド素人の方々のために作ったサービスなんです。
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