DMMとZOZOが認めた起業家、光本勇介の気概 「小さな幸せ」の大量生産を目指したい

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最近は、調達環境が恵まれていて、赤字でもやっていけたりしますよね。でも、それに甘んじていると、経営できていないのに、できているように錯覚してしまう危険があるんじゃないかなと。資金調達が悪いとは思いません。でも、商売は「稼ぐこと」です。意外と、このシンプルなことをスタートアップ環境で実行している人は少ないのかなとも思います。

おカネにはずっと苦労してきました。前の会社も今の会社も自己資本ですが、これって、赤字になれば死ぬんです。かつて、おカネがなくなって、通帳残高が2万2000円になったことがありました。もう完全に「会社潰れる。通帳の底を見るってこういうことなのか」と思いましたよ。今でも、その時の通帳の写真は、持ち歩いています。当時の危機感や緊張感を思い出せるので、たまに見るようにしていますね。

ビジネスをやるうえでの障害も、やはりおカネです。どんなにワクワクするアイデアがあっても、おカネがなくてチャレンジを我慢したことがいっぱいありました。悔しかったですよ。ですから、会社を売却することによって、思ったタイミングで思ったアイデアを実行できるようになったのは大きい。やっぱりそれが最高の幸せですから。フィル・ナイトは『シュードッグ』のなかで、天職を探せ、とアドバイスをしていますが、僕にとっての「天職」は、考えたことをカタチにする、行動に移すことかもしれません。

2018年もチャレンジしていく

――事業家として、目標とされる人はいますか?

自分が実際にお会いしたことがある人で言えば、僕が尊敬しているのは、スタートトゥデイの前澤友作さん、そしてDMMの亀山敬司さんです。お二人とも、レベルの違うすごさがあります。

特に、前澤さんにはZOZOTOWNを通して、どっぷり勉強させていただきました。ZOZOって、まだ10年のビジネスなんですよ。それでここまでの帝国を作れるのか、と。あまりにも身近に仕事をさせていただいたので、「自分にもできるかも」と良い意味で錯覚できたところもあります。時間は自分の貴重な資産ですから、有効活用して、すぐにでもチャレンジしなければと思わせていただきました。

世の中を変えていける自信は、常に持つようにしています。そもそも、自分にポテンシャルがあると思えなければ、思いっきりバットを振れませんからね。つねに勝負。失敗は恐れない。もちろん、失敗もたくさんしてきましたが、失敗から得られることのほうが、成功から得られるものよりも大きかった。だから、失敗することを怖いとは思わないんです。

まだ明かせませんが、今年も、今までにはない形態のサービスを発表する予定です。いろいろなアイデアを考えていますし、やりたいことはいっぱいあります。ビジネスって、最高に楽しいですからね。

泉美 木蘭 作家・ライター

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いずみ もくれん / Mokuren Izumi

1977年三重県生まれ。24歳でイベント企画会社を起業し、即刻倒産。借金返済のために働く日々をつづったWebサイトが話題を呼び、作家デビュー。以降、週刊誌やWeb媒体等で執筆。TOKYO MX「モーニングクロス」「激論!サンデーCROSS」などテレビ番組でレギュラーコメンテーターとして出演。著書に『オンナ部』(バジリコ)、『エム女の手帖』(幻冬舎)、『会社ごっこ』(太田出版)等。趣味は合気道とラテンDJ。

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