開業50周年「西武船橋」は、なぜ閉店するのか 売上高はピーク時から7割減、8年連続で赤字

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ジェイアール東日本都市開発が手掛ける複合商業施設「シャポー船橋」は西武船橋店に隣接している(記者撮影)

今回の西武船橋店の閉店で困惑しているのは地元の住民だけではない。

船橋市は西武船橋店のある船橋駅南口の再開発を進めてきた。2月9日にはジェイアール東日本都市開発が手掛ける複合商業施設「シャポー船橋」がオープン。船橋市はシャポー船橋南館の2階の前に歩行者用通路であるペデストリアンデッキをつくった。

これに近接する複合商業施設「船橋FACE(フェイス)」を交えて、西武船橋を含む3つの商業施設を歩行者用のデッキでつなぎ、回遊性を高める予定だった。だが、「西武の閉店が発表になり、回遊性を高める計画は一時停止しているような状況だ」(船橋市 都市整備課)。

西武の跡地はどうなるのか

今後の焦点は西武船橋店の跡地利用のゆくえだ。そごう・西武は「当社を含むセブン&アイグループが、グループのディベロッパー会社(セブン&アイ・クリエイトリンク)を活用し、地権者と共同で複合施設化を視野に入れた、一体開発を検討している」という。

西武船橋店の別館にあった雑貨店のロフトも閉店する(記者撮影)

船橋市の政策企画課は「船橋市の玄関口なので、市民に親しまれる施設として活用されることを期待している。そごう・西武のみならず、セブン&アイグループとも情報交換を行い、最新情報の入手に努めている」と跡地の利用に高い関心を寄せる。

西武船橋店には本館のほかに、船橋ロフト、パーキング館が入る別館がある。本館は地元企業のユアサ・フナショクとそごう・西武が、ロフト館とパーキング館はそごう・西武と個人の地権者が分有、共有という形で所有している。複数の地権者が存在することから、跡地利用の方向性が示されるまでには時間がかかりそうだ。

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