開業50周年「西武船橋」は、なぜ閉店するのか

売上高はピーク時から7割減、8年連続で赤字

2月28日、50年の歴史に幕を閉じる西武船橋店。最後の週末は閉店セールを目当てに、多くの人が訪れた(記者撮影)

「これだけのブランドがこの値段、なかなか出ません。元値に関係なく表示されているお値段です。この機会を逃さないでください」。西武船橋店(千葉県船橋市)の正面入口を入ってすぐのワゴン前で男性店員が大きな声で叫んでいた。

閉店前最後の日曜日、西武船橋店の1階ではハンドバックのワゴンセールが行われていた。1万6000円~1万8000円程度するハンドバックも5000円(税抜き)で売られているとあり、女性たちが群がっていた。

店頭では閉店を告知する看板などを写真におさめる客も目立った。50代の女性は「昔から母親と買い物をした思い出が詰まっている。生活のほとんどは西武でまかなっていたので閉店はショック」と語る。

売り上げはピーク時から7割減

船橋駅の南口に位置する西武船橋店は2月28日、50年の歴史に幕を降ろす。開店50周年を迎えた昨夏、西武小田原店(神奈川県小田原市)とともに閉店が発表された。

店内入口には店長からのメッセージが掲示されていた(記者撮影)

セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武は前2017年2月期にそごう柏店(千葉県柏市)など百貨店4店を閉店、今2018年2月期もそごう神戸店(兵庫県神戸市)ら関西の2店をH2Oリテイリングに譲渡するなど、不振の百貨店の閉鎖・譲渡を進めてきた。

西武船橋店の売上高のピークは1992年2月期。婦人服を筆頭とするファッション領域が業績を牽引し、売上高は551億円を記録した。その後も、本館改装や別館へのロフト誘致など、さまざまな取り組みを実施してきたが、2010年2月期以降は8期連続で営業赤字が続いた。2017年2月期の売上高は169億円とピーク時から7割も落ち込んだ。

船橋市の人口は2017年10月時点で63万人と、20年前から約8.6万人も増加。ベッドタウンとして年々人口が増えている。商圏人口が増加しているにもかかわらず、なぜ西武船橋店は閉店に追い込まれたのか。

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