「宇宙人はいない」とは否定しきれない理由 米国人ファンはUFO探査組織を設立

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UFO探査の歴史は長い。最も有名なのは、米空軍が1952〜1970年まで行った「プロジェクト・ブルーブック」だろう。このプロジェクトでは、1万2000件以上の目撃情報が検証された。そのほとんどは沼気(メタンガス)などの大気異常だったり、金星や変則的な反射だったりした。でっちあげの情報もあった。

それでも、容易に説明がつかない目撃情報が数パーセントある。 2004年にサンディエゴ沖で目撃・撮影された物体もそのひとつだ。しかも目撃したのは、酔っ払いなどではなく、きちんとした専門職従事者(警察官、パイロット、軍人)であることが多い。しかしだからといって、彼らが見たものが天体である証拠はまったくない。

目撃情報に意味があるのか

その一方で、目撃情報にいったいどんな意味があるのかと、筆者は考えあぐねてしまうことがある。

最近、家族と立ち寄ったレストランに、たまたまマジシャンの友人マーク・ミットンが出演していた。彼は私たちのテーブルにやってきて、マジックを披露してくれた。トランプの束に息を吹きかけると、筆者の娘に1枚選ばせ、トランプの束に戻してカードをよく切ってくださいと言った。娘は手際よくトランプを切って見せた。

娘からトランプを受け取ったミットンは、それを紙吹雪のように空中に振りまいた。するとどうだろう。娘が選んだカードが、1.5メートルほど離れた鏡に張り付いているではないか。どうやってそのカードが、そんな場所に移動したのか。新しい物理学が作用しているわけではないだろう。

私たちが見ていることは、さほど頼りにならないのだ。

身近な場所で何かが起きているのかもしれないが、それが何なのか、私たちにはわからない。ミスター・スペースマン、もしこの記事を読んでいるなら、筆者もその船に乗せてもらう順番を待っていることをお忘れなく。

(執筆:Dennis Overbye記者、翻訳:藤原朝子)

© 2018 New York Times News Service

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