「宇宙人はいない」とは否定しきれない理由

米国人ファンはUFO探査組織を設立

その一方で、天文学者は自然を厳格かつ懐疑的な目で見つめるプロでもある。彼らに言わせれば、ET(地球外生物)探しにおける最大の問題は、空に謎の光の線が見えたといった目撃談がときどき報告されることではなく、そうした現象がつねに圧倒されるほどたくさんには見られないことだ。

天才物理学者のエンリコ・フェルミは半世紀前、走り書き程度のシンプルな数式で、ワープ航法などなくても、宇宙人は天の川銀河系がつくられた100億年よりもはるかに短い時間で銀河系全体に到達し、コロニー化することが可能だという結論を導き出した。そしてつぶやいた。

「彼ら(宇宙人)はどこにいるんだ」。

地球は立ち入り禁止の「自然保護区」

フェルミの問いをめぐり、地球外知的生命体探査(SETI)の支持者たちは長年意見を戦わせてきた。なかでも筆者が気に入っているのは、「動物園仮説」だ。すなわち地球は、いわば立ち入り禁止の自然保護区に位置するため、めったなことでは宇宙人がやってこないという考えだ。

ジル・ターター元SETI研究所研究部長の考えは違う。「私たちの探し方が足りないのだ」と、彼女は言う。たとえば、iPhoneが月か火星の石の下に隠れていたら、私たちはまだそれを見つけていないだろう。

現在進んでいる星間探査プロジェクトとしては、太陽系に最も近い恒星系ケンタウルス座アルファ星(アルファ・ケンタウリ)に、切手サイズの超小型探査機を送る計画などがある。その大きさは、次の世代には蚊ほどの大きさになっているかもしれない。一方、UFO調査計画は1950年代の技術で止まっている観がある。

それでも多くの試みが続いていることに変わりはない。

昨秋、太陽系外から奇妙な物体が飛来したことが明らかになったとき、多くの天文学者はアーサー・C・クラークの小説『宇宙のランデヴー』を思い起こした。この小説で、22世紀に飛来した物体は異星の宇宙船だった。昨年飛来した物体は、恒星間天体「オウムアムア」と名づけられた。2つのグループが観察を続けているが、今のところ異星からの電波信号はキャッチされていない。

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