13歳と15歳の日本人が見たフィリピンの現実 僕と私は取材で子どもたちの困難を知った

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GARDEN Journalismで以前掲載した「友情のレポーター」の取り組みについての動画と記事もこちらからご覧ください。

山邊鈴さん(以下、山邊):みなさん、こんにちは。長崎県立諫早高校付属中学校3年の山邊鈴(やまべりん)です。私は長崎県諫早市という日本の西の端で生まれ育ちました。

山邊鈴さん(写真:GARDEN編集部)

私は小学生の頃から国連で働きたいという夢を持っていて、中学2年生の時には国連欧州本部を訪問させていただきました。しかし、国際ボランティアをされている栗山さやかさん(アフリカのモザンビーク共和国にてNPO「アシャンテママ」 を立ち上げ現地の子どもたちのために活動を続けている)の本を読んで、アフリカの施設で何の医療も受けられずにただ死を待つしかない人たちの状況にショックを受け、「私は本当に人を助けたいのか」「本当に国際協力をしたいのか」「ただ国連のかっこいい部分だけにしか目を向けられていないのか」と、自分自身に問うようになりました。そこで、「実際に途上国に行ってみれば何かつかめるものがあるかもしれない」、そう思い「友情のレポーター」に応募しました。

栁田峰雄さん(以下、栁田):こんにちは。僕は千葉県袖ケ浦市に暮らす蔵波中学校1年の栁田峰雄(やなぎだねお)と言います。僕の生まれはフランスで、5歳までフランスで過ごしました。

栁田峰雄さん(写真:GARDEN編集部)

なぜ僕が「友情のレポーター」に応募したのかというと、鈴さんの将来の夢のような明確な目的があったわけではなく、ただ小さい頃から「海外に行っていろいろなことを見たり聞いたりしてみたい」と思っていて、母に相談をしたんです。すると母は、いろいろと調べてくれて僕に提案してくれたのが、この国境なき子どもたち(KnK)の「友情のレポーター」でした。僕はその時ストリートチルドレンというものがどういうものなのかまったく知らなかったので、本やインターネットで調べてみました。今僕がこうして暮らしている日本の外で、路上で貧しい生活をしなければならない子どもたちがいることがわかり、とても驚きました。そして僕は、「本やテレビで見るよりも、もっと広い世界を自分の目で実際に見てみたい」、そう思って「友情のレポーター」に応募しました。

ビル群とスラム街で実感した経済格差

山邊:ではこれから、私たちが9日間フィリピンに滞在し、何を学び何を感じたのか、「フィリピンの友達に教えてもらった、本当に大切なこと」をテーマにお話ししていきたいと思います。

栁田:まず、僕たちが行ったフィリピンについて簡単に説明したいと思います。羽田空港から約4時間ほどでフィリピンに到着することができました。街が発展し、車を持っている家庭が増えたのですが、道が整備されていないので交通渋滞が起きやすくなってしまっています。僕たちも取材の移動時間にかなりの時間を要しました。

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