ヘリ空母は日本の安全保障をどう変えるのか 山下万喜自衛艦隊司令官インタビュー
【2月27日12時30分追記】記事初出時、「ひゅうが」「いせ」「かが」に続く4隻目の「ヘリコプター空母」とみなしていると表記していましたが、「いずも」は2015年、「かが」は2017年の就役であり、誤った表現でした。そのため、上記のように訂正します。
いずも型護衛艦をどう使うのか
――海上自衛隊は、近代化にどのように取り組んでいるのか。無人機システムを含め、近代化の方向性についてまず伺いたい。
近代化の方向性について短い時間で説明するのは難しいかもしれないが、キーワードで表すとするならば、「スピード」と「レンジ」だ。スピードというのはわかりやすいと思うが、レンジは覆域と言ってよいもの。ミサイルのレンジやレーダーのレンジ、ソナーのレンジなどがある。
このスピードとレンジが海自の近代化の方向性になるが、それを総合的に考えたときに必要になってくるのがネットワークだ。スピードとレンジを考え、ネットワークをどのように生かすのかを考えたときに1つの答えとして出てくるのが、無人機だ。もちろん無人機だけに頼るわけではない。
――日本の新しい艦艇である「いずも」や「ひゅうが」といったDDH(ヘリコプター搭載護衛艦)は、海自の作戦やドクトリン(方針)にどのような変化をもたらすのか。
「ひゅうが」「いせ」「いずも」「かが」は、もともと4隻あったDDHに取って代わり、新型の大きなDDHで更新したものだ。これらの4隻をどう使うかは、先ほど述べたスピード、レンジ、ネットワークという近代化の方向性の中で、今後さらに使い方を考えていくことになる。そうした幅を持ったものだろうと思っている。
最初からここにこう使うということで作り上げたものではない。今後30年、40年使っていかなくてはいけない船を、そうした近代化の方向性の中でどのように使うのか。たとえば、いずも型護衛艦をどう使うのか、まさに今、考え、検討しながら運用している。
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