甘い処分が弁護士の信用をますます失墜させる
それにしても素人目からすると、弁護士への処分はあまりにも甘い。実際に懲戒請求に至るケースは、実際に発生している弁護士の非行のうちのほんの一部にすぎない。
過去に筆者は2度、執筆した記事で名誉毀損訴訟を起こされた経験がある。結果的に2件とも完勝することができたが、そのうちの1件は、1審でまさかの敗訴。だが2審で弁護士を替えたとたん、相手方の請求放棄で完勝を勝ち取れた。原告からの訴訟取り下げは被告側の同意がなければできないが、請求放棄は同意がいらない。弁護士を替えたとたん、原告は敵前逃亡を決め込んだのである。
1審で付いた弁護士は4人だったが、終始一貫、筆者の話をまじめに聞かず、手を抜き続けた挙げ句、証人尋問の場で、4人のうちのひとりが大口を開け、大きないびきをかいて寝始める、というふまじめさだった。この4人の弁護士の名前と顔は一生忘れないつもりでいるが、筆者はこの4人の懲戒は請求していないし、したところで弁護士会にはおそらく相手にもされなかっただろう。
筆者は記者を職業にしたからこそ、誠実で高い能力を備えた多くの弁護士を知る機会に恵まれたが、国民の大半はまともな弁護士にたどり着く方法を知りえない。
日弁連はもう少し懲戒のあり方を考えるべきだろう。そうでなければ、弁護士に自治権を与えていることに、社会の理解を得られない日がいずれやってくるに違いない。
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