東京の格差、「災害復旧が遅い地域」はどこか もう想定外とは言わせない…東大教授の挑戦
災害がいつどのような形で襲ってくるか、分からない。東海地震は予知できるとして、それを前提にして⽴てていた防災対策をも、予知できないことを前提に対策を⽴て直すように改められた。どういった「想定」をするかによって「想定外」が⽣まれてしまう。
東⽇本⼤震災でも、あちらこちらで想定外が発⽣した。福島第⼀の炉⼼溶融がその最たるものである。⽇本の電⼒事情からすれば、全交流電源喪失というような事態はありえないとされてきた。たとえあっても、短時間に復旧できるので、原⼦炉の冷却にはなんの問題もないとされてきたのである。しかし3⽉11⽇、発電所に外から電⼒を供給する鉄塔が地震で崩壊し、かつ⾮常⽤電源は津波による浸⽔で動かなくなり、全電源を喪失して冷却できなくなった。
この研究では、多様なシナリオを検討しようとしていた。しかしそれには計算の負担があまりにも⼤きく、現実には、⾸都直下地震のケース、そこにパンデミック(広域感染)が重なったケース、そして湾岸部被害拡⼤のケースと3つのシナリオが検討された。
もっとモデルの精度を上げたい
ただこのモデルでも「かなり抽象的で、もっともっと精度を上げたい」と古田教授は⾔う。たとえば「サービスと⾔っても、何となく物流が滞るということは⼊れてあるが、⾦融とか⾏政サービスのようなものは⼊っていない」。個別具体的なサービスが⼊らないと、リアリティに⽋けるというのである。
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