ヨドバシがネット通販で「漫画」を売る理由

藤沢副社長「家電より非家電の割合が圧倒的」

――スピード配送にも取り組んでいます。都内を歩いていると、最短2時間半で配送する「エクストリーム便」の車をよく見かけるようになりました。

2016年9月から開始した同サービスは、数字は申し上げられないが、順調に伸びている。配送できるのは、軽トラックに乗る大きさの商品までと制限があるが、ボールペン1本からでも注文は可能だ。現在はあらゆるカテゴリを注文していただいている。現在は東京23区全域と都下の一部に限って展開しているが、今後は地域を拡大していきたい。

即時配送はメリットが多い

――エクストリーム便の場合、配送スタッフはヨドバシの社員と聞いています。

配送スタッフはヨドバシの社員が行う(撮影:梅谷秀司)

ネット通販でも、お客様に商品を手渡しする段階まで含めて満足のいく対応をしたい。そこで宅配業者には委託せず、社員を起用することになった。配送スタッフの中にはもともと売り場に立っていた社員もおり、商品知識は豊富だ。いずれは全員の配送スタッフが、専門的な知識で商品サポートにまで対応できるようにしたい。

――即時配送は、会社にとって負担ではないのでしょうか。

これまでは自社の倉庫から宅配業者さんに商品を渡し、宅配業者の倉庫や配送センターを通り、やっとお客様のもとへ到着していた。ある意味、流通過程にムダがある。即配サービスの場合は、自社倉庫から直接届けるので総コストは下がるはずだ。

在庫を倉庫に滞留させておくより、注文後すぐに届けられたほうが在庫の回転率も上がり、倉庫のスペースも有効に利用できる。できるだけ早く配達することは、お客様にとっても、会社にとってもいいこと。配送スタッフもシフトを組んで対応すれば、過重労働に陥ることはない。

――昨年秋には配送遅延トラブルもありました。即時配送を継続するためには、自社物流の整備が必要です。

大幅に配送が遅れてしまい、ご迷惑をおかけした。当社には、2005年前後に物流拠点を4カ所(札幌、川崎、神戸、福岡)整備してきた。今回、川崎の配送効率を向上させるために隣の敷地に作った新倉庫に移転をしようとしたところ、引っ越しの手順にミスがあって、配送遅延が起きてしまった。注文をさばききれなかったなど、物流が機能不全に陥ったわけではない。現在トラブルは解消している。

自社の土地に建てた川崎の新倉庫は、東京ドーム約4.5個の広さがあり、まだ十分にキャパシティがある。これで、今の約4倍まで品ぞろえを拡充できるとみている。これで即時配送サービスの展開地域拡充も見えてきた。

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