ヨドバシがネット通販で「漫画」を売る理由 藤沢副社長「家電より非家電の割合が圧倒的」
当時から移動や輸送に関するコスト、時間と価値の相互関係などへの関心が高く、その延長線上に今のヨドバシ・ドットコムがあるように思う。私は新卒の段階でヨドバシに入社したわけではないが、別の会社にいたころから、小売りのあり方は大きく変わっていくと思っていた。
小売りの大転換を決定付けたのは、インターネットの登場以上に、スマートフォンの普及だ。2010年に米アップルのiPhoneが日本市場に参入して以降、スマホが浸透していったが、それにより場所を問わずに取引ができる環境が生み出された。ヨドバシ・ドットコムが躍進してきたのも、2010~2012年ぐらいの時期だった。
日用品の検索回数が増加
――書籍や食品の取り扱いも開始するなど、品ぞろえは家電量販のECという枠を超えています。競合も非家電商品は拡充していますが、ここまでやっているところはありません。
ECとリアル店舗に求められる店作りは全然違う。店頭で販売する商品はすべてネットでも買えるが、お客様が日常利用したい商品はネットで拡充していく。現在、ネットにおける売り上げは家電よりも非家電商品の割合が圧倒的に多い。
ネットで家電以外の商品を扱うことになったのは、(2013年頃に)漫画の取扱いを始めたことがきっかけだ。もともと、店頭でゲーム売り場の近くに漫画を置いていた。店頭商品はネットでも扱うので、ネットでコミックスを販売することになった。すると、漫画だけでなく一般の書籍も多く検索されるようになってきた。
本を扱いはじめたら、今度は洗剤やシャンプーなど、日用品の検索回数も増えてきた。同様に、カップラーメンを始めとしたインスタント食品も増えてきて、扱うことにした。数は少ないが、家具やファッション関連も強化している。
検索ボックスに入力された文字を分析して、キーワードを見つけたらそこに対応する、という作業の繰り返しだ。いずれは総合通販のサイトとして利用してもらえるようにしたい。酒類と生鮮食品には対応しておらず、今後の課題と認識している。
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