タントに対抗し日産、三菱自動車が「奇策」
発売の3カ月以上も前に新型軽自動車のデザインを発表

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こちらは三菱自動車の「ekスペース カスタム」のリアビュー

スーパーハイトワゴン分野では、2011年末にホンダが投入した「N BOX」が大ヒットとなり、タントからジャンルトップの座を奪取している。2013年初頭にはタント、N BOXの後塵を拝していたスズキも車名を「バレット」から「スペーシア」と改めてリニューアルし、テコ入れを図っていた。

こうした状況下で元祖・タントがフルモデルチェンジを果たした。消費増税前の駆け込み需要も予想され、一段の競争激化が見込まれる。軽ではまだまだブランド力が劣る日産にしてみれば、数カ月の発売の遅れが致命傷となり、ライバルの間に割って入ることが困難になるおそれがある。

ユーザーに向けて、「ダイハツ、ホンダ、スズキだけでなく、日産と三菱自動車の新車も控えていますよ」というメッセージを届け、是が非でも存在感をアピールしておかなければならないわけだ。

奇策でハンデを克服

実は同じ奇策はすでに実施済みだ。NMKVの第1弾モデルは三菱自動車の「eKワゴン」「eKカスタム」、日産の「デイズ」「デイズ ハイウェイスター」。両社はそれぞれ今年6月に、これらの軽を発売している。その際にも、発売の3カ月前という異例の前倒しで外観を公開した。日産が開発にも関与した初の軽であり、「日産が軽を発売する」という認知を発売前から拡げておくことが目的だった。新規参入者というハンデを挽回するための「奇策」だったといえる。

このマーケティング戦略は一定の成果を上げ、事前受注やその後の販売も堅調に推移した経緯がある。そのため、日産と三菱自動車は奇策を繰り返した。果たして、スーパーハイトワゴン3強の牙城を切り崩すことはできるだろうか。

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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