インドネシアで過熱する”低価格車”バトル

攻めるホンダ・日産、守るダイハツ

インドネシアの自動車市場を巡って、日系メーカーの取り組みが加速している。9月下旬に開催されたインドネシアモーターショーに合わせ、各社が新型車を相次いで発表、積極的な設備投資計画も明らかにした。

「低価格のボリュームゾーンに初めて参入する。シェアアップは確実」――。そう話すのはホンダの伊東孝紳社長だ。ホンダは、低価格・低燃費車のハッチバック「ブリオ・サティヤ」と現地で人気が高い3列シートの多目的車(MPV)の「モビリオ」(プロトタイプ)を発表した。

サティヤは価格は1億0600万ルピア(約95万円、1ルピア=0.009円換算)からと、現行のハッチバック「ジャズ(日本名はフィット)」の約2億ルピアのほぼ半額だ。インドネシア政府は低燃費・低価格自動車の普及に向けたローコストグリーンカー(LCGC)政策を開始しており、サイズや燃費、価格、部品現地調達率など一定基準を満たした自動車に対して減税する。サティアはこの基準に適合させた。

LCGC政策は、富裕層に限られていたインドネシアの自動車市場を中間層へも拡大させると期待されているものだ。

存在感が薄いホンダ

もう一方のモビリオは、LCGCには適合しないものの、価格は1.5億ルピア程度と、現行車種の「フリード」の2.2億ルピアから大幅に引き下げ、普及価格帯にぶつけた。LCGCへの対応を見送ったのは「MPVでは、座席幅が狭くなるうえ、エンジンパワーも不十分で商品性が削がれると判断した」(ホンダ)ためだ。

ホンダは従来、先進国市場を含むグローバル仕様モデルを中心に、上位ブランドとして高価格で販売する戦略をとってきた。この結果、確実な利益を上げながらも販売台数は年間7万台程度とシェアは1ケタ台にとどまり、存在感は薄かった。

次ページ安さの秘密は?
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 精神医療を問う
トレンドライブラリーAD
人気の動画
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
ネットで生卵がメチャメチャ売れる驚きの理由
ネットで生卵がメチャメチャ売れる驚きの理由
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
SDGsが迫る企業変革<br>ビジネスと人権

サプライチェーンの中で起きる人権侵害への意識が高まっています。欧米では法制化が着実に進展し、企業に対し人権リスクの把握と対策を求める動きが顕著に。欧米に比べて出遅れている日本企業の現状を多角的に検証します。

東洋経済education×ICT