インドネシアで過熱する”低価格車”バトル 攻めるホンダ・日産、守るダイハツ

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開発施設やテストコースも整備中(一部稼働済み)で、それらが順次稼働する14~15年には、開発機能の多くが現地化される。今後は、既存車種のモデルチェンジだけでなく、現地向けの新車についても、デザインや装備はほとんどインドネシアが独自に担うことになり、現地開発の度合いはさらに強まっていく。

部品調達でも、新工場立ち上げをにらんで、日本からの輸入部品の大幅削減に着手。現地部品メーカーを積極的に開拓して回った。アイラの部品調達先は191社とそれまでの155社から30社以上も増え、そのうち、現地メーカーは79社にも達する。単に調達先を広げるだけでなく、トヨタグループからも人材を送り込み、カンバン方式やQC(品質管理)活動の導入など、直接資本関係のない現地メーカーの育成も図った。今後も育成活動を継続し、現地メーカー調達率をまだまだ高めていくことで、コストダウンを進める構えだ。

ダイハツのみならず、大型のMPVを主に生産するトヨタも現行の年間20万台の生産能力を14年には25万台にまで引き上げる予定で、ダイハツと合わせたトヨタグループでは70万台以上になる模様だ。

短期的には投資過剰

日系各社の投資計画を合わせると、15~16年には年間170万台を超える生産能力になる見込みで、12年の市場規模約110万台に対して60万台以上の超過となる。毎年2ケタ成長の持続が必要だが、足元はルピア安や金利上昇、燃料価格のアップで自動車販売にはブレーキがかかっている。13年の伸びは横ばい程度、米国の金融緩和縮小状況によっては停滞が長引く可能性も出てきた。

「今の環境で各社が計画通りの増産を進めれば、設備過剰は間違いない」と日系各社幹部は口をそろえる。とはいえ、中長期での成長は期待でき、いま投資の手綱を緩めれば、再成長時に遅れを取りかねない。投資のアクセルとブレーキをどう調整するか、短期的には微妙なハンドルさばきが求められる。

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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