インドネシアで過熱する”低価格車”バトル 攻めるホンダ・日産、守るダイハツ

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LCGCをきっかけに各社が新車を投入し、シェア侵食を狙っているが、ダイハツの金子達也副社長は「インドネシアにジャストフィットしたクルマを開発したのはダイハツだけ」と余裕の表情を見せる。

ダイハツはLCGCに合わせて、5人乗りのコンパクトカー「アイラ」の発売を開始した。価格は7610万ルピアに抑えた。トヨタ向けにも、「アギア」としてOEM供給する。

アイラの開発現場

アイラは、軽自動車の「ミライース」をベースとしているものの、外装デザインの開発にはプロジェクト当初からインドネシアの現地人デザイナーが参画するなど、大幅な現地化を進めた。荷室の大きさも、現地での生活実態に合わせ、水タンク3ガロンと、ラーメン2箱分を積み込めるように設計した。

そもそも、ダイハツが中間層向けの低価格車としてアイラの開発に着手したのは09年で、LCGC政策が公表された10年より早い。この意味でも、ホンダがタイ、日産がグローバル、スズキがインド・日本で開発した車を、インドネシアのLCGC向けにアレンジしたものとは一線を画す。

安い労働力だけに依存しない

生産面では、アイラの立ち上げに合わせ年間12万台の生産能力を持つ新工場(カラワン車体工場)を稼働、生産能力を45万台に引き上げた。新工場には日本の新鋭工場にも劣らないプレス設備を導入したほか、溶接工程のロボット化も46%(既存工場は28%)に高めるなど、安い労働力だけに依存しない生産性を追求している。

新工場は、現在は2交代残業により15万台レベルの稼働状況だが、休日出勤やシフトの変更で最大22万台レベルの生産が可能だという。さらに、同様の生産ラインをもう一本引けるよう、用地の確保をしており、44万台までの能力増強にはすみやかに対応できるよう準備している。

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