インドネシアで過熱する”低価格車”バトル 攻めるホンダ・日産、守るダイハツ
普及価格帯のラインナップだけでなく、ジャズでも日本で投入した新型を早急に導入する計画で、これまでどおりの上級ブランドでの足場も固めつつ、「16年には30万台規模を目指す」とブチ上げる。
低価格帯での競争力を確保するため、サティヤやモビリオはインドネシアでの現地生産を基本とし、現地部品の調達率も引き上げて、コストダウンを図る。現地の生産能力は、従来、年間7万台だったものをこのほど8万台に増強。14年には新工場も稼働させ、能力を一気に20万台に引き上げる計画だ。
クラス最安にこだわる日産
ホンダと同じく年間販売7万台程度とシェア下位に甘んじる日産自動車も、LCGC対応車を発表した。日産が投入するのは、14年からグローバルに立ち上げる新興国専用ブランド「ダットサン」の低価格ハッチバック「GO」とMPV「GO+」だ。インドネシアでは14年1~6月期に発売する予定で、価格はいずれも1億ルピア以下。最も低い価格帯の自動車になる予定だ。
GOがインドなどグローバルで販売されるモデルなのに対し、「GO+」は、3列シート需要に対応したインドネシア専用モデル。LCGCに対応するため、全長4メートル弱に3列シートを備えており、さすがに最後列の居住性は高くなさそうだ。ただこうした制限があっても、LCGC対応でクラス最安にこだわった。この点ではホンダと好対象をなす。
日産現地法人の堀米代志弥副社長は「ダットサンは新ブランドでまだ認知度アップの課題はあるが、GOやGO+発表後の反響には手応えがある。たとえば、デザインのよさは他社の低価格車とは違うという評価を得ている」と言う。既存ブランドの日産に加え、ダットサンを加えることで、普及価格帯への浸透を図る。「価格帯も、車両の性格も異なり日産とダットサンでカニバリゼーションは起こらない」(堀米氏)。
現行の生産能力は年間約7万台。これを13年末には新工場を稼働させて約20万台に引き上げ、16年にはさらに25万台まで増強する計画で、一気にキャッチアップを図る。
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