不動産・ゼネコン マンション大激震! 図解 破綻連鎖の構図

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 「ジョイント・コーポレーションで流れが変わったかと思ったのだが……。また流れが読めなくなった」。ある上場不動産会社の社長は、“リーマンショック”による金融波乱への危機感をあらわにする。

9月8日、不動産デベロッパーのジョイント社はオリックスグループからの総額100億円の出資を受け入れることを発表した。資金繰り不安がささやかれていた同社は、これで一息つくことになった。スルガコーポレーション、アーバンコーポレイションに代表される、黒字基調のデベロッパーが資金ショートで「突然死」する流れは、ひとまずこれで断ち切られたかに見えた。

だが、米リーマン・ブラザーズの破綻は、別次元の衝撃を日本の金融機関に与えた。社債のデフォルトなどの結果、地銀を含めた日本の金融機関がどう動き、不動産業界にどんな影響があるか、まだ見えていない。

「3年で3倍」の急拡大 支えたのはファンド資金

「午後3時過ぎに携帯電話が鳴ると、またデベロッパーかゼネコンが倒産したのかとひやひやする」(不動産ファンド関係者)。今年に入ってから、不動産、ゼネコンの倒産が止まらない。

その震源が新興デベロッパーだ。この数年間、多くのデベロッパーが「不動産流動化事業」にのめり込み、資産を急拡大させてきた。「『急拡大』の目安は売り上げが3年で3倍になること。一つの業態がここまで急激に伸び、その直後に失速するのは前代未聞」(信用調査会社幹部)。

新興デベロッパーの多くは既存デベロッパーの販売会社などからスピンアウトした会社で、頼みは販売力だけである。そうした企業が雨後のタケノコのように輩出し、しかも成長できた背景には、2001年以降にREIT市場が成立したことで、不動産市場への資金供給が非常にスムーズになったことがあった。

この10年で、日本の不動産市場には米国からの資金が大量に流れ込んだ。その受け皿として私募の不動産ファンド、さらにファンドの物件転売先としてREIT市場が急拡大する。これはデベロッパーにとって願ってもない環境だった。

銀行からの融資でマンションを建設、ゼネコンへの支払いは完成時まで引き延ばす。しかも個人相手に1戸ずつ分譲せずにファンドに1棟まるごと売ってしまえば手間もコストもかからない。マンション分譲が本業だった新興・中堅デベロッパーがファンド向けのマンション開発に乗り出すのは自然の流れだった。

資金の運用先に悩む邦銀にとっては、デベロッパーへの融資、REITやファンドへの融資ともに好都合だった。かくして不動産市場には内外の資金が流入し続け、土地バブルが膨張していった。

 

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