不動産・ゼネコン マンション大激震! 図解 破綻連鎖の構図



 この動きを懸念していたのが金融当局だ。バブル再燃への憂慮に加え、アングラマネー増殖への警戒感もあった。ある不動産会社の幹部は、05年前後にスルガコーポレーションの物件を買おうとして銀行から止められた経験を持つ。反社会勢力とのつながりがある懸念ゆえということだった。この幹部は「銀行が何を基準にそう言うのかは教えてもらえなかった。警察作成のリストでもあるとしか思えない」と語る。そして06年からは、邦銀の不動産業界向け融資の規模を抑え込むための金融庁の姿勢が明確になる。

とどめを刺したのが、07年夏からのサブプライム危機だ。米銀はREITや私募ファンドへの貸し付けを大幅に縮小、あるいは回収にかかった。金融庁の動きを受けた邦銀も追随、これで流動性が大きく低下した。家賃収入でキャッシュフローが確保された優良な経営体であるはずのREITにもカネが集まらない異常事態となった。07年6月にはジョイント・リート、ジャパン・シングルレジデンスの2銘柄が資金不足による物件取得見送りを発表する。それぞれ15億円、11億円の所要金額が集められなかったためだ。

REITやファンドに買ってもらうことを前提に物件を造ってきたデベロッパーは目算が狂う。自社のバランスシートで保有するしかなく、ゼネコンへの支払いが滞る負の連鎖が生じている。「デベロッパーが在庫を抱えるだけ、ゼネコンは手形を抱える」と揶揄されるとおりだ。

そして、マンションデベロッパーのシワ寄せを受けるゼネコンには、公共事業の減少によって背に腹は代えられなくなっているという弱みがある。さらに資材高にも苦しめられ、その先行きは見えない。

この9月24日には東証マザーズ上場で家賃保証事業などを手掛け、リプラス・レジデンシャル投資法人のスポンサー会社でもあるリプラスが東京地裁に破産手続き開始を申し立てた。負債総額は約325億円。REITのメインのスポンサー会社としては初めての破綻事例だ。

不動産業界には「REITは不動産の最後の買い手なので、当局が守るはず」(ファンド幹部)との見方がある。それでも、初めての事例だけにリプラス・レジデンシャルの今後には注目が集まる。世界的金融動乱のさなかにあって、不動産、ゼネコン、マンションを揺るがす激震は未体験の領域に突き進んでいる。

(週刊東洋経済編集部 写真:梅谷秀司)

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