40代から始める認知症を防ぐための生活習慣 まずは食事・運動・睡眠を見直そう

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患者の中には、完璧にプログラムをこなしているわけではなくても、認知機能を良好に保っている人もいる。人により重要な項目がいくつか存在し、すべてとはいかなくてもいくつかのプログラムメニューを守るだけで、認知機能が劇的に改善する場合もあるという。

意外かもしれないが、欧米で高所得者が多い国では、すでに認知症の年齢別発症率が減少傾向にある。

アメリカ東海岸にあるフラミンガム町の住民を長年にわたり追跡調査している「フラミンガム研究」では、60歳以上の住民で認知症の5年発症率がこの30年で44%も低下したことが明らかにされている。

しかし、認知症リスクが統計学的に有意に減少していたのは、高卒以上の学歴のある集団のみだった。

「恍惚の人」がいなくなる時代へ

今後は、リコード法のような新しい治療や予防の知識があるかどうかが、アルツハイマー病の発症に大きく影響する可能性がある。

『アルツハイマー病 真実と終焉』(上の書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

21世紀の認知症医療では、より早期に診断し、症状が出てからというよりも、むしろ予防していくことが主軸になっていくだろう――。ブレデセン医師はこうみている。

日本ではまだリコード法を取り入れている施設は少ない。白澤卓二医師が院長を務めるお茶の水健康長寿クリニックなどは、すでにブレデセン医師の原著を読み、診療に取り入れている。

有吉佐和子氏の小説『恍惚の人』が認知症介護の闇に光を当ててから約半世紀が過ぎた。リッチな欧米諸国だけでなく、日本にもそろそろ「恍惚の人」がいなくなっていく時代が来てもいいのではないだろうか。

山口 茜 医学ジャーナリスト、プサラ研究所所長

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やまぐち あかね / Akane Yamaguchi

医師専門の医学新聞社に勤務し、これまで約20年間にわたり世界20カ国以上で取材活動を展開、取材した医師は2000人を超える。2013年に新聞社を退社後、 2014年株式会社プサラ・インスティテュートを設立。「医学をわかりやすく」をモットーとしたプサラ研究所所長として、高度な医療情報を医師や専門家だけでなく一般にもわかりやすく伝えている。日本医学ジャーナリスト協会会員。

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