激化するプライベートブランド工場争奪戦、安値至上主義の行く末

拡大
縮小


ブランド維持への模索 アイテム数拡大を転換も

もちろん、そうはさせまいと小売り各社も対策を行っている。

たとえば「トップバリュ」を擁するイオン。4年前からPB用にタイ南部のバナメイでエビの養殖を始めた。「安全性と確かな品質を担保するために自社で養殖している。また、エビはさまざまな製品にも使用でき、原材料の安定確保にも一役買っており、コストダウンにもなる」(イオントップバリュの堀井氏)。

共同仕入れグループCGCでは、「卵を産む鶏の親の段階から、ヒナの孵化・育成、採卵・検査、選別・パッキング、そして出荷、店頭に至るまで一貫管理し、トレーサビリティを自社で確立」(芹澤政満・CGCジャパン広報室長)、その卵を材料にPB製造も行っている。

また、アイテム数を減らし、既存商品の管理レベル向上に舵を切る小売りも出てきた。各社がPB取り扱いを拡大する中、共同仕入れ機構の日本流通産業やオール日本スーパーマーケット協会は、「くらしモア」「生活良好」のPBアイテムをそれぞれ前期比で各5%、12%ほど減らした。また、イオンも「現在、衣料品等含め5000アイテムあるが、今後、増やしても6000品目が限度」(堀井氏)と、新領域展開からの方向転換を示唆する。

今年10月、小麦の売り渡し価格再値上げは確定的だ。そこが、PBのこれからを分ける“踏み絵”となる可能性がある。ようやく市民権を得たPB。再び低価格戦略に猛進した揚げ句、一定の品質を下回った商品が出回る事態が起こるようなことになれば、さらに自らの首を絞める事態となりかねない。

(鈴木良英 撮影:今井康一 =週刊東洋経済)

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