韓国「BTS」が米国ファンを熱狂させる秘密 今までのK-POPグループと何が違うのか

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BTSに限っていえば、彼らの「独自性」がアメリカでの成功につながったとの見方もある。米ニュースサイトのデイリー・ビーストは、韓国の3大事務所に所属していないBTSは、音楽制作の面で独自性をアピールできていると指摘。

BTSは「パフォーマンスをするだけでなく(彼らのダンスとラップ技術の高さは定評がある)、作曲や作詞にも参加しており、たとえばK-POPアイドルシステムや韓国芸能界における精神衛生問題など、ほかのアーティストでは考えられないようなテーマにも挑んでいる」としている。この唯一無二の姿勢が、BTSを熱狂的に支えているファンの拡大につながっているようだ。

無理にアメリカウケは狙っていない

こうした独自性は米国に進出しても保たれており、BTSは米国でパフォーマンスする場合も、韓国語で歌っている場合が多い。また、衣装についても無理にアメリカウケを狙うわけでなく、「K-POPボーイズバンド然としている」(デイリー・ビースト)。かつてであれば、こうしたグループは「海外のエキゾチックなグループ」ととらえられがちだったが、今ではその個性がむしろ喜ばれている、と分析している(同サイト)。

もっとも、アメリカにおいてK-POPが「エンカ(演歌)」と同じくらいの立ち位置だったのはそれほど昔のことではない。数少ない熱狂的なファンの間では、お気に入りのアーティストに関するニュースのほとんどを、知る人ぞ知るウェブサイトに頼っているのが普通だった。

しかし、K-POPの進化の種はかなり昔にまかれていた。米国でスパイス・ガールズやボーイズIIメンといった多様なグループがビルボードにランクインするようになった1990年代半ばには、ソウル市の中でも感度の高い人たちが集まる江南地区で後にK-POPとして知られることになるグループが生まれている。

K-POPがアメリカのメインストリームの舞台に躍り出たのは2010年のことだ。2011年には、ビッグバンがアメリカのiTunesのチャートでアルバムトップ10入りを果たす。さらに、2012年にはPSY(サイ)の「Gangnam Style(江南スタイル)」が空前のヒットとなり、多くのアメリカ人がほぼ初めてK-POPに触れた。

とはいえ、多くのアメリカメディアは、PSYとBTSを別物として取り上げており、前者については「面白音楽ビデオ」が受けただけと手厳しい。いずれにしても、K-POPアーティストによる米国での公演は年々増えており、CNNによると、2013年には年間13公演だったのが、昨年は5月時点ですでに15公演開かれていた。

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