30歳「自殺未遂3回」の彼女が見たASDの現実 もっと早く自分の発達障害を知りたかった

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姫野:クラスメートを見下していたということは、学校に友達はいなかったの?

彩音:うーん……。いたにはいたし、今でも地元に帰ったら会う子たちもいるけど、小学校の思い出がない。学校よりも塾の思い出ばかり。塾での友達のほうが仲はよかった。休日も朝の9時から夜までずっと塾にいたから、塾のみんなとご飯を食べるのは楽しかった。

人との距離がわからずパニックになることも

姫野:そして中学校は男女交際禁止の厳しい私立中学校に進学したんだよね。で、退学になったという話を以前聞いたことがあるけど、何が原因だったの?

彩音:学校の方針がおかしいと思って、先生たちにたてついたから(笑)。学校内で生徒が自殺してしまったんだけど、それを学校側がひた隠しにしていて許せなかった。そして、何がきっかけか忘れてしまったんだけど、中2の春くらいからリストカットを始めたの。それくらいの時期から自分を見失い始めた気がする。

本当にギリギリのところで受かった学校だったから勉強も全然ついていけてなかった。クラスも成績別に分かれていたし、小学校までは勉強ができることが唯一のアイデンティティだったのに、そこで自我が崩壊しちゃった。別に親は、その学校でトップになれとかは言わなかったけど、今までみたいに親を喜ばせられないことがつらくて。

当時、自分のブログに「学校で死にたい」とか書いていたら、先生たちが私のブログを見つけてしまって、危ない生徒みたいな存在になった。私は保健室登校をしていたのだけど、学校でリストカットをするくらい病んでた。そしたら、私みたいになったら授業を受けなくてもいいと勘違いした子たちがエセメンヘラみたいになって問題になり、「そういうのはしちゃダメですよ」と、集会が開かれるまでになってしまった。

姫野:ASDの症状として「空気が読めない」とか「人の気持ちを察することができない」とか言われることがあるけど、その症状は小中学生のときは出ていたと思う?

彩音:空気が読めないとかはあんまり感じたことはないかな。

姫野:私、彩音さんと接していて思うんだけど、初対面の人にも異様なほどフレンドリーだよね。以前、夏に一緒に居酒屋に行ったとき、店の冷房が効きすぎて寒くて、彩音さん、隣の席の見知らぬカップルに「寒いですよね」と話しかけていてびっくりした。そういうのも、症状の一種なのかな?と私は感じたことがある。

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