ZOZO、「スーツ」と「PB」で挑む世界一の野望 スタートトゥデイ前澤友作社長が激白

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――副社長兼CFO(最高財務責任者)の栁澤孝旨氏が過去の東洋経済のインタビューで、「ライバルは強いて言えば百貨店」と話していましたが、前澤社長は競合をどう見ていますか。

読んだときに「何でこんな事を言っているんだろう」と思ったけど(笑)。僕はそもそも競争が嫌い。なので、人がやっていないことをやらないと飽きてしまう。誰もやっていない自分たちにしかできないことをやることでしか、存在意義がないと思っている。

――ゾゾタウンとPB以外の新しい事業の構想は?

今のところ考えていない。2つの事業に集中して、よりファッションの会社になっていく。プラットフォームばかりの会社を目指すだけでもないし、メーカーだけでもない。アップルのように、どちらもバランスを取って相乗効果が出せるようなビジネスにしていく。

イノベーションがあれば大企業病にならない

――上場10年で会社の規模も大きくなりましたが、大企業になることのリスクは感じますか。

まったく感じないですね。むしろ大企業になったからこそ影響力も出て、資金もたくさんある。認知もされて”いいことずくめ”としか思わない。僕の言ったことがなかなか伝わらなくなってきたり、組織がまとめづらくなってきたり、細かい大企業病のようなものはもちろんある。ただ、そんなことは微々たる話。

その状態が続く限り、いくら会社が大きくなったとしても、意思はひとつにまとめることができると思う。イノベーションが起きず、成長しないことが一番危機感を抱くべきところで、今はイノベーティブな取り組みをして、みんなが楽しく社会に貢献できています。

むしろ、何でもっと早く大きくしなかったのだろうと思います。悩んだこともあったんですよ。会社を大きくすると、いろいろとうるさいこと言われるな、上場なんて面倒くさい、とか。今となって思えば、もっと早く上場しておけば良かったのに。人生は短いから、今でもそこは後悔している。そういった後悔もあって、今はもうアクセル全開でやっていますから。

「週に3日しか会社に来ないくせに何を言っているんだ」と言われるかもしれないが、週3日しか会社にいないだけであって、頭の中は会社のことばかり考えている。普段、寝ているときも会社のことを考えています。

――元々バンド活動からファッション業界に入って、やりたいことは今、どれくらいできていますか。

まだ1%くらいですかね。

年を追うごとに、考える規模感が大きくなっていて。自分の小ささや実際にできないことも痛感しているので、満足する日は死ぬまで来ない。死ぬまで成長したいという思いがあるので、5年後10年後どうなりたいというのは言えない。早くもっと世界的に影響力のあるプロダクトを生み出していきたい。

音楽をやっていた時もそう思っていましたが、思ったよりCDも売れなくて、良い曲が生み出せなくて。それでビジネスを始めたら、思ったより良いビジネスが作れた(笑)。音楽よりこっちの方が得意だったということですね。

真城 愛弓 東洋経済 記者

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まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

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