韓国人がガッカリの「最低賃金」引き上げ余波 真冬の韓国で平昌冬季五輪以上に熱い話題

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最低賃金引き上げを巡り、いまだに熱い議論が展開され、さまざまな声が上がっているが、引き上げの影響は物価にも出始めている。

家の近所で人気の中華料理店でも1品あたり1000ウォン(約100円)くらい値段が上がっているので驚いて聞いてみると、「ほら、最低賃金引き上げで、人件費がかかりますから……すいません」、そうあっさり言われてしまった。

この騒ぎ、当分やみそうにないが、賃金引き上げの不満が噴出し始めると、韓国政府は企業側に支援金を出すことを決定している。

オリンピックの盛り上がりが冷めた後は……

しかし、不満は一度出ると連鎖するもので、政府や公共機関で働く非正規職員をゼロ化する政策についても批判が上がり始めている。何年も勉強してようやく公務員になれたと思ったら、非正規社員が運よく正社員に格上げされて、数年間の努力が泡となった、詮無い、やるかたないなどといった声だ。

平昌オリンピックでアイスホッケー女子チームを北朝鮮との合同チームにした際、「(政府は)一方的で選手のことを考えていない」と4年間の苦労が泡と消えたアイスホッケー選手に自身の境遇を投影したといわれる20~30代。

文大統領はこの中心の支持層から大きく支持率を落としたが、オリンピック後にこうした問題がどんな形で現れてくるのか。

宴の後、文大統領は国内外で正念場を迎えそうだ。

菅野 朋子 ノンフィクションライター

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かんの ともこ / Tomoko Kanno

1963年生まれ。中央大学卒業。出版社勤務、『週刊文春』の記者を経て、現在フリー。ソウル在住。主な著書に『好きになってはいけない国』(文藝春秋)、『韓国窃盗ビジネスを追え』(新潮社)がある。

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