20代への「結果出せよ」は地雷を踏みかねない 若者は矛盾への鬱憤がたまっている

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今回のテーマは「矛盾」です
30代~40代のビジネスパーソンは「個を活かしつつ、組織を強くする」というマネジメント課題に直面している。ときに先輩から梯子を外され、ときに同僚から出し抜かれ、ときに経営陣の方針に戸惑わされる。しかし、最も自分の力不足を感じるのは、「後輩の育成」ではないでしょうか。20代の会社の若造に「もう辞めます」「やる気がでません」「僕らの世代とは違うんで」と言われてしまったときに、あなたならどうしますか。ものわかりのいい上司になりたいのに、なれない。そんなジレンマを解消するために、人材と組織のプロフェッショナルである曽和利光氏から「40代が20代と付き合うときの心得」を教えてもらいます。

若者は矛盾への鬱憤がたまっている

さて、今回のテーマは「矛盾」です。言うまでもなく世の中は矛盾だらけです。会社も職場ももちろん矛盾だらけです。上司から降りてくる指示を見ても、さまざまな矛盾を感じる若者は多いでしょう。

当記事は、『OCEANS』の提供記事です。元記事はこちら

少し前に、サイボウズの広告のコピーがネットで大変話題になりました。曰く、「結果出せおじさんと、早く帰れおじさん……ふぅ(ため息)」「ノー残業、楽勝!予算達成しなくていいならね」など。「一体、どっちをすればいいと言うのか」「明らかに指示が矛盾してるじゃないか!」などのコピーが、日頃「数字も、時短も」と要求され鬱憤がたまっていた若者たちの共感を呼び、拡散につながったのだと思います。

一方、オッサン世代は、この若者の感覚に違和感を覚える人もいるのではないでしょうか。我々世代は、「結果を出すこと」と「早く帰ること」のように、一見すると矛盾に見えるもの同士を「両立させろ」とずっと言われ続けてきたため、世の中はそんなものだと思っています。

我々の世代のビジネス書『ビジョナリー・カンパニー』にも、『「ORの抑圧」をはねのけ、「ANDの才能」を活かす』という言葉が出てきます。偉大な会社は、変化か安定か、低コストか高品質かといったような、相反する両極端を二者択一ではなく、両方を同時に実現させようとするという意味です。最近、某都知事が繰り返し使っていた、ヘーゲル哲学の「アウフヘーベン」という言葉もありました。

対立するものを、どちらかを取るのではなく、なんとか両立させるアイデアを考えるということです。昼食にカレーかうどんのどちらにしようと考えて、カレーうどんにする、というようなものです。オッサンは、矛盾慣れしているのです。

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