中国人女性が「高級コスメ」を買いまくる必然 訪日中国人の化粧品購入率はダントツだ

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どうしても子どもが化粧品を買いたいと言ったら、「いいもの=体への負担が少ないもの」を買わせたくなるのは自然だろう。自分は化粧品に詳しくないので、いちばん納得できる判断は「高いものならいいもの」のはずということだ。高いなら、原材料にこだわりがあるはずであり、大手メーカーの商品で安心できるはずである。

高いものの効果を重視する以上に、安いものだったら何で作ったのかもわからないと、不信も強い。それは中国国内でよくある不安であり、「安いものにきっと何か不備がある」という深層心理が働いている。したがって、買うなら「いちばんいいもの=高級化粧品」を買おうということになる。

日本の高級化粧品がこの3年よく売れているが、実は欧米ブランドの高級化粧品はもっと前から好まれている。たとえば、la prairie(ラ・プレリー)は「貴婦人ブランド」と呼ばれ、あこがれの化粧品である。また、今徐々に日本で店舗を増やしているDe La Mer(ドゥ・ラ・メール)は、実は2010年前後から中国のSNSを駆使し、当時の在米留学生をはじめ、経済力を持つ若い中国人を大きく魅了した。

最近では、東京・銀座の「ギンザ シックス」へ日本初上陸をした、超高級ブランドのValmont(ヴァルモン)は私の知るかぎり、2年前から訪日中国人ないし中国の若い女性の中で人気が少しずつ広がっていた……。化粧品の大国と言われる日本ではあるが、彼女らの情報と好みに追いかけきれていないように感じている。

このような欧米ブランドを探してもなかなかない日本国内で、中国で買うより安い日本製の高級化粧品を買う。つまり国内外の値段の差で高くても「お得感」が働いている。

若いころから「機能性重視」

安心できる商品、低品質のモノが入っていない化粧品ということ以外では、若い訪日中国人女性は、高級化粧品に何を求めているだろうか。それは、「機能性」である。

中国の80後、90後の機能への意識が非常に高い。ほとんどの女性は高校まですっぴんで過ごし、大学に入ってから急に化粧品の世界に入り込み、国内外の情報を一気に吸収する。たくさんの情報を読むうち、スキンケアにおけるいちばんのポイントは予防であり、メークアップについては機能性が良いものを好むようになる。シワができてからの軽減ではなく、出てくる前から予防したほうがいい。したがって、18歳からアイクリームを使い始める。

せっかくファンデーションを使うのであれば、すぐに崩れる安物より、1日塗っていても崩れない高級品がいい。その結果、日本国内市場ではもう少し上の年齢層向けの高価商品が彼女らの予防意識と効果重視によって人気となる。

「今、最高級品を使ったら、将来、本当に歳を取ったら何を使うの?」という疑問があるかもしれないが、1人の訪日中国人女性の話を引用すると、「その時、もっといいものが出ているから」と考えているようだ。

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