マギーだけではない。高卒8年目の今季、首位打者を争うまでになった銀次は、飛躍の理由をこう話している。
「ジョーンズと一緒にプレーして、自信になった部分があります。野球をよく知っているし、試合の流れをすごく知っている。技術、精神面でいろいろとアドバイスをくれますしね。今シーズン、一緒にプレーできたことはすごく大きいですよ」
打線に核ができ、それぞれの役割が明確になった。ジョーンズやマギーの堂々たる態度を見て、周囲は触発されたものがあったはずだ。大物メジャーリーガーの持つ自信がチームに伝播し、徐々に勝者のメンタリティが育まれていったのだろう。
優勝マジック3で西武ドームに乗り込んだ9月24日の試合前、2007年から10年まで楽天でプレーしていた渡辺直人(現・西武)は古巣の変化を感じていた。
「勝つことでチームは変わります。勝利することでチームワークや団結力が出てくる。若い選手は試合で使われ、レギュラーの自覚が芽生えてきたのでしょうね。僕がいた頃にレギュラーでなかった選手が、今季はたくさん出てきています」
「成功できる」という自信
負けが込めば込むほど、人は自信を失いがちだ。立花はそんなチームを一気に変えるべく、ジョーンズとマギーを米国から連れてきた。そして彼らが最大限に力を発揮できるよう、裏で環境を整えた。
マギーが言う。
「ヨウゾウは英語がとてもうまく、よくコミュニケーションを取っているよ。ラグビーやビジネスで成し遂げてきた話を聞いたが、彼は戦略性を持って動ける人だと感じている。当然、球団の経営をうまく行おうとしているが、いちばん考えているのは、チームをどうやって勝たせようかということがよく伝わってくる」
楽天で1年間戦い、マギーは周囲の変化を感じている。
「チームには、成功できるという自信が増している。それが日々の勝利につながっていると思う。イーグルスはここまですばらしい戦いをしてきたが、われわれにはポストシーズンがあるし、勝ち続けなければならない。イーグルスがなすべきことは、まだ始まったばかりだ。チームと共にこういう状況にいられて、本当に幸せだよ」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら