インディードの創業は、フェイスブックから遅れること9カ月の2004年11月。2010年には世界7大陸すべてでサービスを展開する初のWebサイトとなり、現在では50以上の国と地域、28言語での検索に対応する世界最大級のオンライン求人サービスへと成長しました。日本で運営を開始したのは2009年、2012年にはリクルートの買収により、同社の完全子会社となっています。
関係者によると、世界全体では毎月2億人以上のユーザー(ユニークビジター)が訪れているインディードの、日本における求人掲載件数は約200万件。既存求人サービスの最大手タウンワークが同約80万件、Web求人サイト大手のバイトルが約20万件であることと比較しても、その件数の多さがわかると思います。
一方、日本では外食や小売り・サービス業などのパート・アルバイト求人の分野において、「バイト探しはインディード♪」というTVCMのフレーズのようには、インディードの利用が広がりにくい土壌もあります。それはWebを使った仕組みの求人サービスを使いこなせない「アナログ店長」が少なくないからです。
アナログ店長のデジタル化を阻む壁
「いつもの出しといて~」
パートの欠員募集が必要になったとき、関西のある地方都市に展開するスーパーの店長Aさんはこう言います。A店長は58歳。「いつもの」とは、20年以上使い続けている新聞折り込みの求人チラシのことです。
A店長が求人チラシにこだわるのは、手に取って見えるアナログな紙媒体であるということに限らず、A店長がそれを経由した電話での応募でないと求職者にうまく対応できないからです。
一般的に求人サイトには応募者管理システムがセットされています。Web経由の応募をためておいて、応募者とのやり取りができる便利なツールなのですが、A店長はこのシステムが使いこなせない。というか、そもそもログインすらできません。
職場で毎日のように使うストアコンピュータなどは、扱えないと本業に支障を来しますが、必要なときにしか触れることがない採用関連のデジタルツールは、なかなか身に付かないのです。これはA店長に限ったことではありません。
カフェや居酒屋といった外食産業の店長は比較的若い世代が多く、スマホなどでWebに慣れ親しんでいるものの、スーパーの店長やコンビニのフランチャイズオーナーといった小売店の採用責任者は50代、場合によっては60代の人も少なくありません。
そんな彼らは、IT機器の扱いが苦手なケースが多く、インディードという最新の採用ツールどころか、一般的な求人サイトさえ使いこなすことができていません。
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