適性検査対策の重要性を説く学生は、適性検査で苦戦した文系に多い。言葉は「検査」だが、内容はかなり高度だから、大学受験に類する勉強が必要だ。対策本を丸ごと読了し、問題を一通り解く必要がある。
・「SPI対策を早く始めればよかった。最近になって苦手であることに気づき、対策に追われ、エントリーシートや企業研究がおろそかになってしまっている」(上位国公立大・文系)
・「とりあえずSPIは勉強したらどうにかなるので、2月までに完璧に仕上げておくべきだった」(その他国公立・文系)
理系でも「SPIをなめていた。少しでも対策し、十分に睡眠をとってから受けるべきだった」(上位国公立大・理系)と書いている学生がいるが、この文章の印象では学力不足ではなく、体調管理の重要性を説いているように読める。
「オワハラ」や「サイレント」の洗礼も
自己分析やエントリーシートについての記述も多いが、内容は「もっとしっかり早くにやっておけばよかった」と言うものだ。
ほかに目立つのはグループワークやグループディスカッションに対する感想だ。うまくいったというものはなく、「グループディスカッションでわがままな人がいて、うまくいかなく選考で落ちたこと」(その他私立大学・理系)のように、他学生への批判が多い。
最後に就活を通して学生が人事に対して反省を求める意見を紹介しよう。学生に対して、「約束は守ってください」「時間厳守」「社会人としてのマナー」とうるさいが、すべての人事担当者が品格のある行動をしているわけではない。
・「オワハラが実在するのは驚いた。また、よいようにおだてられて内定を軽く受諾したり、与えられた情報を信用してしまう学生が相当に多いことも衝撃だった」(上位私立大・文系)
不合格の連絡をしない「サイレント」や、「オワハラ」(就活終われハラスメント)は、社会の実相を若者に教えるためではない。たぶん、単に時間に追われて通知が面倒だったり、目の前の学生がほしくてたまらないので強迫めいた言動を取ったりするのだろうが、大人げないと思う。これもまた就活の現実である。
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