内定の合否を分けるのは「ちょっとした差」だ 26歳、半年転職が決まらなかった男の転換点

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まず、「その程度の経験で凄いと思ってるの?」と面接官に批判された件では、自分が経験したことの「凄さ」をアピールし過ぎたのではと考えた。そこで、自分の経験を凄いこととして強調するのではなく、単純に経験してきた「事実」として、控えめにアピールしていくよう提案した。武器となる経験(アピール材料)の、“伝え方”を変えたことで、芦田さんの転職活動は好転する。

「転職活動がうまくいき始めたのは、ちゃんと『自分ができること』を『できる』と言い出してからだったと思います」。そして臨んだ面接で、自分がやってきたことを話すと、面接官は、その話にものすごく喰いついてきて、話が盛り上がったまま終わったという。

「その場で次の面接も決まって、前職経験も活かしつつ、設計の仕事ができるポジションで選考が進んでいきました。何で今まで前職の話を避けていたのかと後悔したくらいです」(芦田さん)。

選考は無事に進み、芦田さんの“武器”を認めてくれた、現在勤めている会社に入社することになった。

「今の仕事では、施工管理の仕事もありますが、評価試験、保守・メンテナンスなど、ものづくり全般に関わっており、志望していた設計の仕事もできています。面接の時に前職の仕事の話に喰いついた理由も、実際に仕事をしているとよくわかります」(同)。

前職の経験をきちんと活かすこと

今の仕事は休日出勤もほとんどなく、11月の残業時間は20時間、10月はわずか3時間程度だったという。希望していた設計の仕事を担当できたばかりか、ほかの仕事も幅広く経験することができ、前職でもやっていた施工管理の仕事も部分的にあるので、その経験も活かすことができている。

芦田さんの転職は、結果として、ワークライフバランスを整えるという点も満たしつつ、設計の仕事にキャリアアップを果たすことができた。ただ、このようにキャリアアップできる転職は、意外と珍しい。

その理由は、前職の労働環境に不満を持っていると、いままでと違う仕事に転職しようとするからだ。すると、いままでやってきた仕事と、まったく別の仕事をすることになる。それだと、前職で培った知識やスキルを活かすことができず、さらに給与条件も下がってしまう。

第二新卒が転職によってキャリアアップを目指すのであれば、今回の芦田さんのケースのように、前職でやってきたことを「活かす」ことをお勧めしたい。その場合は、経験(アピール材料)は、相手に合わせた“伝え方”を意識したほうがいいだろう。

川畑 翔太郎 UZUZ COLLEGE(ウズウズカレッジ) 代表取締役

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かわばた しょうたろう / Shotaro Kawabata

1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現・LIXIL)に入社。1年目からキッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、3年目に製造へ異動し、毎日ロボットと作業スピードを競い合う日々を送る。高校の同級生の誘いと自身のキャリアチェンジのため、「UZUZ」立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターといった20代若者への就業支援実績は累計2,000名を超える。2024年よりIT/DX分野の教育研修事業「ウズウズカレッジ」を分社化し代表取締役に就任。就活メディアはこちら、X(旧Twitter)はこちら、YouTubeはこちら

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