老人大学で英語も!韓国ジジババの育児地獄

共働き子供夫婦を助け、孫の面倒見1日9時間もザラ

初孫が2歳になって嫁が仕事を始め、自然と孫の面倒はシンさん夫婦の役割になった。今年3月、2番目の孫が生まれてからは忙しさは2倍に。それでもシンさんは、これまで書き記してきた育児日記を出版するほど育児に情熱を傾ける。妻はようやく退職した夫とゆったりとした老後生活を夢見ていたが、育児で長期間の旅行もできなくなった。

シンさんは「孫の面倒を見ても後には何にも残らないなんて話もよく聞いた。でも、最近の若者たちの状況を見ると、共働きしないとやっていけない。身体は確かにしんどいが、孫の顔を見ると、やはり自分が面倒を見なくてはという気になってしまう」と苦笑する。

キムさんやシンさんのような、祖父母が孫を育てる「黄昏育児」が急増している。人生に2回も子どもを育てる時代になったのか。韓国統計庁によれば昨年、510万の共働き夫婦のうち、祖父母が孫の育児を担当しているところが250万と半分を占めることがわかった。子どもエデュケアセンターのイム・ヨンジュセンター長は、「夜も安心して預けられる保育施設が足りないうえに、他人に預けるよりは家族が面倒を見て欲しいと思う傾向が今でも強く、自分の子どもを両親に任せる子どもが多い」と説明する。

子どもの面倒は、妻方の祖父母にまかせる

それならば、子どもの養育を父母のうち誰に多く任せるのか。育児政策研究所が昨年7月に生後36カ月未満の子どもを生んだ女性1000人を調査した結果、養育者の53.8%が妻方の両親に任せることがわかった。夫方の両親に任せると回答したのは全体の34.2%。京畿道家族女性研究院によれば、養育時間は1週間に5日以上、一日平均9~11時間だった。子どもたちから受け取る小遣いの額は30万ウォン(約2.75万円)レベルにとどまった。

祖父母に子どもを任せる理由の一つに、お手伝いさんを雇ったり保育機関に預けるよりは、家族のほうがより安心して任せられるということだ。育児と家事を並行するワーキングマザーは、勤務時間によって生じる時間的空白を祖父母に埋めてもらえるため仕事への負担が減る。

育児政策研究所のソ・ムンヒ先任研究委員は「共稼ぎ夫婦にとって経済的負担を減らし、心おきなく働くことができるもっともよい解決策。最近では、経済的負担を減らすために30~40歳代が自分の両親に依存することが増えている」と言う。

実際に、結婚してからも経済的な理由で両親とともに住む「スクラム族」が増えている。ソウル市が今年6月に発表した「統計で見たソウルの家族構造」によれば、2010年現在、世帯主である両親と同居する30~49歳の成人は49万4663人で、2000年の25万3244人から91.4%増加した。

彼らの相当数は、子どもの時と同じように両親の保護と養育を受けていることになる。60歳以上の両親を対象に、子どもと同居する理由を聞いた結果、「孫の養育など子どもの家事を助けるため」と10.5%が答え、「子どもの経済的理由などで単独での生活が不可能」と29%が答えている。

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