これから、日本には「人生100年食堂」が必要だ 特別対談:リンダ・グラットン×小泉進次郎

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ロンドンのビジネススクールに通う日本の学生もとても優秀ですよ。しかし、日本人の若者は、日本人どうしでくっついてしまう。ほかの国の学生たちとなかなかネットワークを結べないのです。そして授業中、とても静かなんですね。日本の大学において、うまく質問する、ディベートをするトレーニングを受けていないわけです。

小泉氏のジョークにグラットン氏が大笑いする場面も。対談は終始、穏やかな雰囲気で行われた(撮影:今井康一)

小泉:僕は3年間、アメリカで生活しました。大変だったのは、静かにしていることは、評価されることではないということです。自分自身を変える努力が必要だった。大事なのは、英語がうまいかどうかではなく、自分が何を考えているのかを伝え切る努力をすることでした。そして、手を挙げること。私はここにいるという証明をすることです。

海外留学をして、真の多様性とは何かということも理解しました。僕はよく若者たちに「自分が外国人になる経験をしよう」と話しています。自分が外国人になる。つまり自分がマイノリティになるということです。

すると、いままで当たり前だと思ってきたことが、当たり前ではなくなり、日本の常識や価値観は、ワンオブゼムだと理解するようになる。語学を学ぶ以上に圧倒的に大事なことです。

グラットン:おっしゃる通りです。経験の幅を広げ、他国を知るだけでなく、自分がマイノリティになる、これはとても重要なことだと思います。100年生きるのならばそのチャンスがあります。ぜひ若い人々には旅行してほしいと思います。日本が世界標準のものをつくろうと思ったら、まずは世界を理解するところからはじめなければなりませんから。

「人生100年食堂」? 小泉進次郎流、大学改革とは

小泉:最近、僕は「大学改革」について考えています。だけど、大学が変わるのを、社会の変化が待ってくれない。だったら、学位を取るために海外留学をしたい人は、国がおカネを出して無料化する。そして日本に大切なものを持ち帰ってきて、日本で活躍してもらいたいと。

日本はただでさえ18歳人口がどんどん減っていきます。日本の大学の経営は厳しい。選ばれるようにならなければ、国は、学位を取りたい人を海外へ出してしまうぞと。そのほうが大学も危機感を持ちますから、国内の大学改革につながるし、多様性とは何なのかがわかる人材を育成できる。クレイジーだと思われるかもしれないけれど、そのほうがいいんじゃないかと最近、思っています。

グラットン:大学というのは変わるのが本当に遅いんです。いろんなセクターのなかで、もしかすると教育が一番変化が遅いのかもしれません。ですから、非連続の変化を課さなければなりませんね。

一番わくわくするのが、オンライン学習です。イギリスではオープンユニバーシティが成功を収めています。洗練されたテクノロジーを使っていますし、この1~2年でかなりオンラインで学位が取れるようになるでしょう。日本の学生さんもそういったものを履修できると良いのではないでしょうか。

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