では採用難に喘ぐ企業側は、学生のそういった現状にどのように対応しているのでしょうか。今回、企業の採用ホームページがどのくらいのスマホに”最適化”しているのか、検証することにしました。就職情報サイト「マイナビ2018」に掲載されている約2万3000社の企業から、従業員規模や業界に区分してそれぞれ20社ずつランダムに抽出し、計480社の採用トップページを1つ1つ調査しました。
スマホの最適化に関する定義は、Google社の「モバイルフレンドリーテスト」を活用し、スマホでの閲覧に適しているかどうかを判別しました。モバイルフレンドリーテストとは、Googleがスマホ最適化の判断基準として示しているいくつかのポイント(文字の大きさ・ボタン同士の間隔・表示領域の調整可否など)を、自動判別するものです。最適化されていれば、「このページはモバイルフレンドリーです」と、そうでなければ「このページはモバイルフレンドリーではありません」と表示されます。
最適化企業は約半数の52.9%
結果、各カテゴリー別のスマホ最適化割合は、次のようになりました。
全480社中、スマホに最適化していた企業は254社で全体の52.9%。多くの学生がスマホで採用ホームページを閲覧しているにも拘らず、半数近い企業は対応できていないということになります。
従業員規模別に比較してみると、大企業(従業員1000人以上)は64.4%と対応率が比較的高いものの、中小企業(従業員299人未満)は43.1%と、対応の遅れが見られます。業界別では、対応率が最も高かったのは「マスコミ」の71.7%で、最も低かったのは「メーカー」の35.0%と、ダブルスコアの差がつきました。
他にも「ソフトウエア・通信」の61.7%、「流通・小売」の60.0%など、自社の商材に関連する業界やBtoC系の企業は、ホームページ自体の最適化も含め、対応が進んでいる印象が強いです。一方、最下位の「メーカー」や「商社」の45.0%などは、BtoB系の企業が多く、ホームページ自体が最適化されていないケースが多く見られます。
「官公庁・公社・団体」も45.0%と低く、多くの市民に見られる機会が多い割には、対応が遅れているようです。予算との兼ね合いもあると思いますが、検討の必要性を感じる結果となっています。
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