事実!女性医師のほうが患者の死亡率が低い 同研究が「今年影響力の高かった論文」3位に

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オルトメトリクスとは、「新しい、代替の」という意味のオルタナティブと、「指標」という意味のメトリックスを組み合わせた新語である。

オルトメトリクスは複数の会社が提供しているが、その中で最も広く受け入れられているのは、英国のオルトメトリク(Altmetric)という会社である。実はこの会社は、権威ある科学雑誌『ネイチャー』を出版する会社(Nature Publishing Group)の関連会社(Digital Science)の投資を受けている会社なのである。

オルトメトリク社は、論文がどれだけ読まれたか、引用されたか、ニュースやその他のメディアでカバーされたのか、ツイッターやフェイスブックでどれだけ多くの人が話題にしているかなどを総合的に評価し、点数化している。この数字は、論文の「影響力」を表す点数だと言ってよいだろう。インパクトファクターや被引用数と違い、オルトメトリク社はほぼリアルタイムで計測できるため、即座に論文の影響力を数値化できるという利点がある。

オルトメトリク社は世界中にあるすべての科学雑誌(経済学雑誌など社会科学の雑誌も含む)のすべての論文に点数をつけている。そして、毎年その点数を基にランキングをつけて、1年間に約220万本発表される膨大な数の論文の中から、上位100本の論文を表彰している。

毎年12月から翌年の11月までに発表されたものが対象となるのだが、2016年度のランキングでは、米国のバラク・オバマ大統領(当時)が自らオバマケアのインパクト評価の結果を説明した論文が第1位となって話題となった。

筆者たちの論文がランキング第3位に

前置きがやや長くなったが、ここからが本題だ。2017年度のランキングが12月12日に発表されたのだが、その中で筆者たちが書いた論文が第3位に選ばれたのである。

オルトメトリク社が選んだ影響力の大きい論文トップ3

  2016年度 2017年度
第1位

オバマ大統領(当時)がオバマケアの評価をした論文(『JAMA』誌)

18カ国のデータを用いて炭水化物の摂取量と心臓病による死亡率との関係を検証した研究(『Lancet』誌)

第2位

医療ミスの数は多く、米国の死因の第3位となるとした論文(『BMJ』誌)

博士課程の学生の多くが精神的ストレス、精神障害のリスクが高いという調査結果(『Research Policy』誌)

第3位

ブラックホール合体で重力波の検出を報告した論文(『Physical Review Letters』誌)

女性医師のほうが男性医師よりも患者の死亡率、再入院率が低いことを明らかにした論文(『JAMA Intern Med』誌)

 

筆者たちの研究では、2011~2014年に米国で内科疾患のために入院となった65歳以上の高齢者150万人分のデータを解析した。

患者の重症度や病院の違いの影響を取り除いたうえで、担当医(内科医に限る)が男性医師であった場合と女性医師であった場合で、患者の死亡率(入院日から30日以内に死亡する確率)と、再入院率(無事に退院になった後に30日以内に再入院になってしまう確率)を比較した。その結果、女性医師が担当医であった場合、死亡率・再入院率ともに3~4%低くなることが判明した。

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