まずは「備えあれば憂いなし」です。質問されそうなことを徹底的に洗い出してみましょう。できれば質問されたら嫌だな……と思うようなものまで考えておくと、いざ聞かれたときも動揺せずにすみます。想定外の質問はないに越したことはありません。
私はコンサルタント現役時代、クライアントへの報告会の前に、メンバーから「これだけはお客様から質問されたくないこと」を1人10個考えてもらい、全員で回答を考えました。こうすることによって、誰が聞かれても動揺せずに同じ回答ができるので、信頼感が高まったという経験があります。
想定外の質問は動揺につながり、失言を生みます。もしその時点では相手が満足するような回答ができない状態であったとしても、「当然、そのような疑問を抱かれると思っております」「ご懸念のとおりです」と余裕を持って対応するのと、アタフタしてしまうのは大きな違いです。
また、想定される質問を洗い出していくと、聞かれて困る嫌な質問ばかりではないことに気がつくと思います。「むしろ積極的に言いたい!」という質問もあるでしょう。とはいえ、誰かがそのようなラッキーな質問をしてくれるとは限りません。その場合には、自分からその質問を口にしてしまえばよいのです。「よくこういうことを聞かれるのですが……」「もしかしたらこういう疑問をお持ちかもしれませんので、お話ししておきます」などと切り出すのです。
こうすれば、自分の言いたいことを伝えられるとともに、プレゼンするテーマに詳しく、慣れているという印象を与えることもできて一石二鳥です。「ご質問はありますか?」(……シーン)という気まずい状態になったときにはぜひ、自分で質問して、自分で答えてみてください。質問したくても躊躇していた方が、「そうそう、それが聞きたかった!」とうなずいてくれることがよくあります。
質問を確認、検証、反論に仕分ける
次は質問の答え方ですが、やみくもに答える前に質問を3つのタイプに仕分けてみると、ぐっとラクになります。
1つ目は、「確認」のための質問。メッセージの意味を相手が確認したい場合にする質問です。
2つ目は、「検証」のための質問。確からしさや真偽、具体性、詳細などを知ろうとする質問です。
3つ目は、「反論」のための質問。一見質問に見せかけて、実は異議を唱えている問いかけです。
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