「サイバー軍拡」が核兵器より危険な理由

デジタル時代のパンドラの箱

サイバー攻撃能力の強化に乗り出す国が増えている(写真:chombosan/PIXTA)

サイバー攻撃の能力強化を模索する国が次から次へと増えている。エスカレートするこの動きは危険だ。

私たちの社会はインターネットに大きく依存している。インターネットは最重要のインフラであり、ほかのインフラもインターネットに依存している。

すべての紛争にサイバー的要素が絡んでいる

こうしたデジタル時代の到来によって、私たちは新たな弱みを抱えることになった。ハッキングやサイバーテロだけではない。さらに問題なのは、国家がサイバー空間での軍事作戦に前のめりになっていることだ。

米国とイスラエルは2010年に「スタックスネット」というマルウエア(有害なソフトウエア)でイランの核施設を攻撃し、ルビコンを渡った。今や、すべての紛争にはサイバー的な要素が絡んでいるといっていい。

安全保障上、核兵器が最大の問題だった古い時代には、状況は違っていた。核兵器は複雑かつ高価であり、その技術は限られた高学歴の専門家にしか習得できない。

だが対照的に、サイバー攻撃の手段はあまりおカネをかけなくても開発したり入手したりすることができる。しかも、意外なほど扱いも易しい。つまり、脆弱かつ不安定な国であっても、サイバー攻撃の強国となることは可能なのだ。

次ページサイバー空間でも北朝鮮は危険な存在
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 晩婚さんいらっしゃい!
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日本企業は米中の板挟み<br>全解明 経済安保

先端技術をめぐる米中の争いは日本に大きな影響をもたらします。海外からの投資は経済を活性化させる一方、自国の重要技術やデータが流出し安保上のリスクになる可能性も。分断の時代に日本企業が取るべき進路を探ります。

東洋経済education×ICT