孫正義氏が買う「バク宙ロボット」企業の全貌

全米驚愕のロボ技術が見せつける未来とは

実はソフトバンクによる買収はまだ完了していない。ボストン・ダイナミクスがDARPAと密接にかかわってきたため、買収には米国政府の承認が必要だ。だが、まだ承認されておらず、買収完了時期は未定だという。

「人間が持つすべての能力を兼ね備えたロボットを作るのが私の夢だ」。ボストン・ダイナミクスCEOのマーク・レイバート氏は11月21日、ソフトバンクロボティクスが開いたイベントに登壇し、そう語り始めた。レイバート氏はかつて身を置いたマサチューセッツ工科大学(MIT)ではロボティクス研究の第一人者だ。

ロボット化の流れはインターネットを超える

世界のロボット化の流れは、インターネットよりも大きなものになる――。レイバート氏はそんな未来を予見する。「インターネットは世界中の情報に触れることを可能にした。ロボットは世界中の”モノ”を操作できるようにしてくれる。時間はかかるが、必ず起こる」(同)。

馬のような動きで山道を歩いて行く「ビッグドッグ」

子馬のような見た目のロボット「ビッグドッグ」は、移動や外出を可能にした。冒頭のヒト型ロボット、アトラスでは移動性能は高くないものの、さまざまな動きができるようになった。そして小型犬のような「スポット」は過酷な地形での歩行を実現した。

レイバート氏が強調したのは、「まず、すでにあるロボティクスの技術を使って、実世界に適用できる製品を開発すること」。長年研究開発に終始してきたボストン・ダイナミクスが、ようやく実製品の展開に乗り出す。

生き物と見まがうほどの自然な動きを見せる「スポット・ミニ」

「ロボットに重要なのは、機動性の高い動き、知覚力、自律性だ」(レイバート氏)。これらを実現したといえるのが、最新の4足歩行ロボット「スポット・ミニ」だ。脚やアームなど全身に17の関節を持ち、自由度の高い動きが可能。さらにLIDAR(光を用いた周囲を認識するセンサー)やステレオビジョンを使いながら、屋内地図を作成し、バランスを保って歩行できる経路を見極める。

かつて動力源はガソリンで油圧駆動だったが、スポット・ミニはバッテリーを搭載しすべて電気で動く。重量はわずか30キログラムだ。米国の家庭で使うことを想定して開発されており、「階段やテーブルのような障害物があるような環境でも動き回れるようにしなければならなかった」(レイバート氏)。

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