それが20代の中頃くらいまでであれば、自頭のよさやコミュニケーション能力、行動力といったポテンシャル力を見ることとなります。
ちなみにそれ以降、特に30歳以降については上記に加え、職務にかかわる具体的実績、経験とスキルをもって判断をされることになります。つまり、入社後即戦力として、少なくとも、たとえば出身業界におけるプロジェクトでは使えるか否かなどが判断されることとなります。
自分で考える癖をつける
青木さんの場合は前者の20代中頃くらいまでの層ですから、そもそも出身企業や業界というのはさほど意識されません。
当然、2~3年としても仕事において誇れる実績や経験があれば、非常にプラスに働きます。特にそのプラス面が、ファームにおける既存メンバーの経験にない場合はなおさらです。
そういったものがない場合は、どういったスタンスで仕事に取り組んでいるかといった姿勢や、難解な事柄を分解して理解し伝える力といった基本的能力の高さをいかに示せるかが勝負でしょう。
そのためには、日々の業務において言われたことをこなすだけではなく、なぜその業務をやるのか、もっといいやり方はないのか、といったことを考える癖をつけたり、身の回りのことに対する観察力を意識して養ったりする必要があります。
後者についていえば、たとえば新聞で企業の新しい事業への進出やM&Aなどが発表されたときは、業界やその会社の動きを考えたうえで、なぜ、そういった動きをしているのかを考える癖をつける、ということですね。
こういった思考をそもそもするか否かは習慣によりますし、物事をそのまま受け入れるのではなく、いろいろな角度から分析をする、背景を探る、理解して伝える、といったあたりはコンサルの仕事で必須ですから、そういった思考回路に慣れておく必要はあります。
そしてそういった習慣化がポテンシャルに引っかかるか否かの分かれ道でもあるのです。
私は長い間、戦略コンサル会社で採用にも携わってきましたが、どんな有名大学や有名企業出身者、いやたとえ有名戦略コンサル会社出身者でも、この考える癖のない人は絶対に採用していませんでしたし、5分も話せばそういった能力があるか否かはわかります。
たとえば、コンサル会社によってはある特定の手法(コストカットにかかわる手法など)を有している場合もあるのですが、その手法そのものを饒舌に語れる人は多いものの、なぜ特定のプロジェクトでその方法を採用したのか、ほかにどのような手法があり、比較した際にその手法はどこが優れているのかなどといったことを語れる人は多くはありませんでした。
このケースでも、やはり学校の勉強よろしく方程式を暗記しているにすぎませんから、解決策ありきになってしまって、状況に応じた最適解、固有解を提示し実行しなければならないコンサル的にはアウトな状態なのです。
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